日々の食事がカラダを作りますが、特に子どもの場合は、心身の発育・発達に密接に関わります。そのため、日頃の食事から必要なエネルギーや栄養素が摂れるよう、気を付けている家庭もあるのではないでしょうか。子どものタンパク質摂取の1つの方法として、プロテインを検討しつつも、カラダへの影響を心配される方もいるかもしれません。本記事では、子どもがプロテインを飲むことについて解説します。
タンパク質摂取が注目され始め、メディアや雑誌などでプロテインが取り上げられることも多くなったように思います。プロテインの中には「ジュニアプロテイン」と名付けられた子ども向けの製品もあり、「子どもにプロテインが必要なの?」と感じる方もいるかもしれません。次に、子どものプロテインでよく挙がる疑問にお答えします。
プロテインは不足したタンパク質を補える栄養補助食品であり、子どもがプロテインを飲んでも問題はありません。
プロテインに配合されている主なタンパク質は、牛乳から抽出されたホエイプロテインやカゼインプロテイン、大豆から抽出されたソイプロテイン(大豆プロテイン)です。このようなタンパク質を主原料にして、ビタミンやミネラルなどが配合されています。
また、ジュニアプロテインだけでなく、大人が飲むプロテインを子どもが飲んでも問題はありません。しかし、大人用プロテインは成人の食事摂取基準値などをもとに栄養素が配合されている可能性もあるため、必要以上に栄養素を摂取してしまう可能性も考えられます。大人用のプロテインを活用する場合は、摂取する栄養素の量を考慮して、プロテインの量を調整するなども必要かもしれません。
特定の食品を食べると身長が伸びない、反対に身長が伸びるということはありません。必要な栄養素は、身長や体重、活動量によって個人差があり、心身の健やかな成長には、特定の食品に偏らずバランス良く食べることが大切です。そのため、プロテインを飲んだからといって、身長が伸びなくなるわけではありません。
プロテインを飲むと身長が伸びなくなると思われる背景は、「子どもが筋肉をつけすぎると、身長の伸びを妨げるのではないか」との考えからではないでしょうか。筋肉と身長の伸びの関わりについては、明確な根拠は乏しいといわれています。
また、プロテインを飲むだけで筋肉はつきません。プロテインは筋肉などの材料となるタンパク質を補うものです。筋力を維持するには適度に活動し、さらに筋肉をつけるには、トレーニングを行うことが必要です。
栄養補助食品であるプロテインを飲む年齢に決まりはありません。アレルギーなどがなければ、食事で不足した栄養素を補う目的で活用できます。ただし、必要な栄養素には個人差があります。食事で十分に食べられている場合は、プロテインの摂取によって、栄養素の過剰摂取につながる可能性もあると思います。
子どもが栄養バランスの整った食事をしっかりと食べ、身長や体重の増加が適度で体調にも問題がなければ、栄養素を十分に摂取できていると推測できます。この場合は、プロテインを飲む必要はありません。
【参考】
あくまでもプロテインは不足した栄養素を補うものであり、栄養摂取は食事から行うのが基本です。繰り返しになりますが、必要な栄養素が摂取できていれば、プロテインを取り入れる必要はありません。では、必要な栄養素とはなにを指すのでしょうか?
栄養素は主にタンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルの5つに分けられます。カラダを作る材料となるのはタンパク質です。また、タンパク質はエネルギー源にもなり、脂質、炭水化物とともにエネルギー産生栄養素とも呼ばれています。ビタミンやミネラルはさまざまな代謝に関わるなど、カラダの調子を整える働きをしている栄養素です。
日本人の食事摂取基準では、各栄養素の推奨量や目標量などが示されています。10~11歳の男女の推定エネルギー必要量を見ると、成人女性とほぼ同等かそれ以上です。このように子どもは、カラダの成長に必要なエネルギーや栄養素の摂取を意識する必要があります。
どのような食事を用意したら、子どもに必要な栄養素を摂取できるのでしょうか? 食事では、ごはん、パン、麺類の炭水化物を主に含む「主食」、肉、魚、卵、大豆・大豆製品などタンパク質摂取できる「主菜」、野菜を使った「副菜」の3つをそろえることでバランスが整いやすくなります。さらに、牛乳・乳製品、果物を、食事に合わせて取り入れることで、不足しがちなビタミンやミネラルなども摂取できます。
厚生労働省および農林水産省が発表している「食事バランスガイド」では、どのくらいの量を摂取するとよいかが分かりやすく記載されています。詳しくは、「成長期の子どもと栄養バランス~1日の食事メニューの提案~」も参考にしてください。
【参考】
参照日:2022年1月15日
食事からの栄養素が十分に摂取できない日があれば、次の日は意識して不足した栄養素を食事から摂取して調整すれば大丈夫です。しかし、栄養不足が続いてしまう場合は、プロテインを活用する方法もあります。子どもがプロテインを活用するシーンはさまざまです。子どものプロテイン活用法をご紹介します。
毎日の食事は同じメニューばかりではなく、日によって異なるものを食べているのではないでしょうか? 栄養バランスが整った食事を継続することで、カラダに必要な栄養素を摂取できますが、そうではない食事の日もあるかもしれません。
例えば、ラーメンや丼もの、パスタなどの1品料理、おにぎり、サンドイッチなど、食事が簡易的になる日もあると思います。サラダやお浸し、魚や肉などのお惣菜をプラスすると栄養バランスは整いやすくなりますが、簡易的な食事のみになると、炭水化物や脂質に偏る傾向が考えられます。簡易的な食事が続きタンパク質不足が心配される日には、プロテインの活用が食事バランスをサポートしてくれるかもしれません。
カラダが成長して大人に近づいていく段階である子どもは、生命を維持し、生活をしていくだけでなく、カラダが成長するためのエネルギーと栄養素も必要です。部活動や習い事でスポーツに取り組んでいるスポーツジュニアは、さらに運動で消費する分のエネルギーと栄養素を摂取しなければいけません。
10~11歳ごろの男女では成人女性と同等以上のエネルギー量が必要ですから、運動を行っているスポーツジュニアの食事量は成人女性よりも多くなると推測できるのではないでしょうか。1日3回の食事や補食を活用して、必要な栄養素を摂取できるスポーツジュニアであれば栄養素の不足は起こりにくいですが、食事が多く食べられない子どももいるかもしれません。
必要な食事量を確保するために、練習前後などのタイミングで補食を活用する場合もあります。しかし、運動前に食事をすると運動中に調子が悪くなってしまったり、運動後に栄養補給をしたくても食欲がなかったりする可能性も考えられます。ドリンクタイプのプロテインであれば、運動前後に摂りやすいという子どももいるかもしれません。そのような場合には、プロテインを取り入れる選択肢もあります。
運動を行っていなくても、カラダが成長していく子どもは食事をしっかりと食べる必要があります。しかし、食べられる量は個人差があり、食が細い子どもの場合は、食事から必要な栄養素を摂取できない場合もあるかもしれません。食事から栄養素を摂取することが基本ではありますが、子どもの食が細いのに無理に食べさせては、食事の時間が苦痛になってしまう可能性もあります。
プロテインは、タンパク質だけでなくエネルギー、ビタミン、ミネラルも摂取できます。水や牛乳に溶かしてのむ粉末タイプ、ゼリー飲料、プロテインバーなど、プロテインにはさまざまな種類があるため、子どもが食べやすい製品が見つかるかもしれません。食が細い子どもの栄養補給にもプロテインを活用する方法があります。
初めてプロテインを活用する場合は、ジュニアプロテインが子どもの口に合うのか心配になるかもしれません。次に、森永製菓が取り扱うジュニアプロテインをご紹介します。子どもが好む味わいになっており、おやつ感覚で飲食できると感じるのではないでしょうか。
ココア味の粉末プロテインです。森永のココアを使用しているため、味わいに親しみを感じるのではないでしょうか。1食あたりで摂取できるエネルギーは74kcal、タンパク質8.4g、脂質0.8g、炭水化物8.2g、カルシウム500mg、鉄4.6mg、ビタミンD2.0μg、ビタミンB群です。吸収スピードの緩やかなソイプロテイン、速やかに吸収されるホエイプロテインが配合され、カラダづくりもサポート。カラダが成長するジュニア期に活用しやすいと思います。
ココアウエハースにココア味のクリームをサンドしたプロテインバーです。サクッとした軽い食感で、お菓子感覚でタンパク質を摂取できます。1本あたりに含まれている栄養素は、エネルギー153kcal、タンパク質8.3g、脂質8.7g、炭水化物10.4g、カルシウム530mg、鉄7.0mg、ビタミンD2.4μg、ビタミンB群です。食事の合間の栄養補給として、運動で消費したエネルギーを補うために活用しやすいのではないでしょうか。
栄養補助食品であるプロテインを子どもが飲んでも問題はありません。しかし、あくまでもプロテインは食事から不足した栄養補給の選択肢の一つです。栄養の偏りが心配される日や、活動量が多い日の栄養補給として上手く取り入れることがおすすめです。