冷凍野菜は、カットや下処理の手間がなく、使いたい分だけ調理できる手軽な冷凍食品です。しかし、生の野菜と比べると味や栄養素が落ちているのではないかと気になる方もいるのではないでしょうか。本記事では、冷凍野菜の栄養素について解説します。
※記事内でご紹介している森永製菓の製品の栄養成分は、2023年12月8日時点のものとなります。
冷凍野菜は皮やヘタ、種が取り除かれていたり、カットされていたりなど、下処理済みの状態で冷凍されたものです。-18℃以下の低温で冷凍することで、腐敗菌や食中毒菌の増殖を抑えて長期保存が可能になります。
家庭で下処理した野菜を冷凍すると、加熱調理後に食感が変わってしまった経験があるかもしれません。これは、野菜に含まれている水分が凍結することで膨張し、野菜の細胞を壊してしまうためです。冷凍野菜を作っている食品工場では、急速冷凍することで「最大氷結晶生成温度帯(-1~-5℃)」をすみやかに通過させ、野菜の味や食感、栄養素をほぼ変わらず保っています。
次にそれぞれの生の野菜と冷凍の野菜に含まれている栄養素が異なっているかまとめました。
にんじんはβ-カロテンを多く含む、緑黄色野菜の代表的な野菜の一つです。冷凍食品としては、花型や乱切り、千切り、シャトー切りなどにされたものがあり、にんじん煮物や炒め物などに活用しやすいです。にんじんの主な栄養素を表にまとめました
日本食品標準成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2023年12月8日
茹でた生のにんじんと茹でた冷凍のにんじんの栄養素を比べると、β-カロテン以外の栄養素はほぼ違いがありません。β-カロテンは冷凍のにんじんの方が多く含まれていることがわかります。
さといもは、食物繊維やカリウムを多く含みます。さといもの皮を素手でむいたり、下処理したりすると、手がかゆくなる方もいると思います。冷凍のさといもは下処理がされているため、皮をむく必要がなく手がかゆくなる方でも活用しやすいのではないでしょうか。さといもの主な栄養素を表にまとめました。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2023年12月8日
生のさといもの水煮と、ある程度水煮にして冷凍に加工されたさといもを比べると、カリウム以外の栄養素はほぼ変わりません。カリウムは冷凍のさといもの方が少ないことがわかります。
ほうれんそうは緑黄色野菜の一つであり、β-カロテンを多く含む野菜です。冷凍ほうれんそうはすでに下茹でされているため下処理する必要がなく、食べやすい長さにカットされているものが多いです。そのため、使いたい分だけ取り出せるため、お浸しや炒め物はもちろん、味噌汁やパスタの具などに活用しやすいと思います。ほうれんそうの主な栄養素をまとめました。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2023年12月8日
ほうれんそうの栄養素で違いがあるのは、β-カロテンとビタミンCです。β-カロテンは冷凍ほうれんそうが多く、ビタミンCは生のほうれんそうが多いことがわかります。
かぼちゃはβ-カロテンを多く含む緑黄色野菜であり、葉酸やビタミンCも含まれています。生のかぼちゃは固く、切り分けるのに力が必要で、カット後は傷みが早い野菜です。冷凍のかぼちゃは食べやすい大きさに切り分けられているため、カットする必要がありません。かぼちゃの主な栄養素をまとめました。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2023年12月8日
生のかぼちゃと冷凍のかぼちゃに含まれている栄養素で大きく違いがあるのは、β-カロテンとビタミンCです。β-カロテンは冷凍のかぼちゃの方が多く、ビタミンCは生のかぼちゃが多く含まれています。
とうもろこしは炭水化物を多く含んでいます。とうもろこしの中でもスイートコーンは、食用としているとうもろこしの中でも甘みが強い品種の総称です。冷凍スイートコーンは、粒のみが冷凍されており、皮をむいて芯を除くなどの下処理は必要ありません。冷凍スイートコーンは炒め物やスープの具など、さまざまな用途で使いやすいと思います。スイートコーンの主な栄養素をまとめました。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2023年12月8日
生と冷凍のスイートコーンを比べると、葉酸とビタミンCは生の方が多いことがわかります。
厚生労働省が示している野菜摂取目安量は350g/日です。野菜はビタミンやミネラル、食物繊維を多く含み、カラダの調子を整える働きをします。冷凍野菜はさっと炒めたり、汁物に加えたりしやすいです。冷凍野菜を冷凍のパスタやインスタントラーメンに足すなど、冷凍野菜を活用して、野菜摂取量のアップにつなげてみてはいかがでしょうか。
また、野菜の種類によって差はありますが、植物性タンパク質も野菜に含まれています。生の野菜だけではなく、冷凍野菜も加えながら1日の野菜摂取目安量を摂取することで、タンパク質補給もサポートします。
冷凍野菜を活用しても食事から摂取する栄養素の不足が気になる場合は、栄養補助食品を活用する選択肢の一つです。森永製菓が取り扱うプロテインの中には、ビタミンやミネラルを配合している製品があります。カラダづくりに役立つタンパク質を摂取できるプロテインのうち、ビタミンやミネラルも含むおすすめの製品をご紹介します。
代謝に関わるビタミンB群のほか、丈夫なカラダにつながるカルシウムや鉄を配合している粉末プロテインです。1食あたりで摂取できるタンパク質は森永ココア味で23.3gであり、肉を約100g食べたときと同じくらいのタンパク質を摂取できます。食事量が少ない日の栄養サポート、活動量が多い日の栄養補助などに活用しやすいのではないでしょうか。
ビタミンB群や鉄のほか、カラダの調子を整えるビタミンCやビタミンEを配合している粉末プロテインです。1食あたりで摂取できるタンパク質は15.6gです。大豆プロテインが配合されており、植物性タンパク質を摂取したい方も活用しやすいと思います。
ビタミンB群、カルシウム、鉄のほかに、丈夫なカラダづくりをサポートするビタミンDを配合している粉末プロテインです。1食あたりで摂取できるタンパク質は8.4gです。大豆プロテインと牛乳由来のホエイプロテインが配合されています。成長期の栄養サポートにおすすめです。
ビタミンB群を配合したプロテインバーです。1本あたりで摂取できるタンパク質は16.9g、エネルギー185kcalであり、忙しい日の食事サポートや間食に活用しやすいと思います。ザクザクとしたクランチが入っている、甘味控えめのビター味が特徴です。
ビタミンB群とカルシウムを配合したゼリー飲料です。1袋あたりで摂取できるタンパク質は5gで、脂質は0gです。脂質を控えながらタンパク質を摂取したい方に活用しやすいのではないでしょうか。ホエイプロテインのほかに、吸収されやすいホエイペプチドも配合されています。
冷凍野菜と生野菜を比べると、味や栄養素にほとんど変わりはありません。緑黄色野菜に多く含まれているβ-カロテンは、冷凍野菜の方が多く含まれている傾向があります。手軽に活用できる冷凍野菜を加えながら、野菜摂取量のアップにつなげてみてはいかがでしょうか。
<参考>
1)冷凍食品あなたの疑問にお答えします | 一般社団法人 日本冷凍食品協会 参照日:2023年12月11日
2)健康日本21(栄養・食生活) 参照日:2023年12月11日