REPORT 03:皮脂抑制効果REPORT 03:皮脂抑制効果

酒粕と米麹を使用した甘酒の継続飲用試験及び脂腺細胞を用いた細胞試験により、皮脂抑制効果が見られました酒粕と米麹を使用した甘酒の継続飲用試験及び脂腺細胞を用いた細胞試験により、皮脂抑制効果が見られました

  • 肌トラブルのタネ「皮脂」にも甘酒?
  • 継続飲用試験
  • 細胞中の脂肪量測定試験
  • 考察とまとめ

肌トラブルのタネ「皮脂」にも甘酒?肌トラブルのタネ「皮脂」にも甘酒?

「皮脂」というと、お肌の表面を覆って水分の蒸散を防ぐ働きをしてくれる大切なものですが、どうしてもちょっとマイナスのイメージがありますね。
過剰に分泌される皮脂は本当に困りもの。ベタベタして不快感があったり、皮脂によって毛穴がつまってしまうと、ニキビや黒ずみなどの肌トラブルに繋がります。女性はメイク崩れも気になりますね。

今回はまだ明らかにされていない「酒粕と米麹を使用した甘酒」の皮脂量の抑制効果について検証するため、2つの研究を行いました。

継続飲用試験継続飲用試験

研究1)酒粕と米麹を使用した甘酒の継続飲用試験研究1)酒粕と米麹を使用した甘酒の継続飲用試験

  • 試験対象

    40~60代の肌荒れが気になる女性17名
    甘酒群対照群の2グループに分かれて試験

  • 試験飲料

    ■甘酒群:酒粕と米麹を使用した甘酒
    ■対照群:酒粕と米麹を含まない甘酒風味飲料
    (対象者は自身がどちらの群か知らされません)

  • 方法

    両群ともに1ヶ月間毎日、朝晩の1日2回飲用

  • 測定項目

    頬の皮脂量測定

  • 結果

    甘酒群では摂取後に皮脂量が低下していましたが、群間差は認められませんでした。

図1)頬の皮膚表面皮脂量の測定結果

酒粕と米麹を使用した甘酒を1ヶ月継続して飲んだグループは肌の皮脂量が低下するという結果に!

細胞中の脂肪量測定試験細胞中の脂肪量測定試験

研究2)細胞試験研究2)細胞試験

  • 実施概要

    脂腺細胞(ハムスター由来)を培養し、酒粕もしくは米麹の溶解液を添加し脂肪量を測定

  • 測定項目

    1脂腺細胞における脂肪量の測定
    2中性脂肪(トリグリセリド)の測定
    3PPARγ因子のmRNA発現量の測定

皮膚の断面図
  • 1.脂腺細胞での脂肪滴の蓄積抑制1.脂腺細胞での脂肪滴の蓄積抑制

    図2)脂腺細胞における脂肪量の変化

    未分化の脂腺細胞を分化させた後に、脂腺細胞内の脂肪滴を染色し、相対的な脂質量の測定をしました。
    細胞に酒粕および米麹の溶解液を添加したところ、脂腺細胞での脂肪滴の蓄積がコントロールに比べ有意に抑制されることが示されました。

  • 2.細胞内の中性脂肪(トリグリセリド)量の抑制2.細胞内の中性脂肪(トリグリセリド)量の抑制

    図3)トリグリセリド量の変化

    細胞内の中性脂肪であるトリグリセリド量が、酒粕添加時、米麹添加時において抑制されることが確認されました。

  • 3.脂質の代謝を制御するPPARγmRNAの発現量が低下3.脂質の代謝を制御するPPARγmRNAの発現量が低下

    図4)脂質代謝の制御に関与するPPARγ因子のmRNA発現変化

    遺伝子レベルでも解析をしたところ、脂質の代謝を制御する因子である“PPARγmRNA“の発現量が、酒粕及び米麹添加により低下していることが明らかになりました。

    つまり…脂腺細胞での脂肪の蓄積抑制が確認できました!つまり…脂腺細胞での脂肪の蓄積抑制が確認できました!

考察とまとめ考察とまとめ

今回の研究から酒粕と米麹を原材料とした甘酒を継続して飲用すると肌の皮脂量低下が確認されました。

酒粕と米麹それぞれ単体でも皮脂量を抑える効果がありますが、酒粕と米麹を合わせた甘酒の方が、より皮脂量の低下を促す可能性が考えられます。

参考文献
「Hiroko Maruki-Uchida et al.: Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, Volume 84, Issue 8, 2 August 2020, Pages 1689–1695」

甘酒Lab.(あまざけラボ)