REPORT 07:甘酒の成分分析REPORT 07:甘酒の成分分析

酒粕と米麹の甘酒にストレスの軽減や美容効果が期待される成分の含有が確認されました酒粕と米麹の甘酒にストレスの軽減や美容効果が期待される成分の含有が確認されました

  • 分析した4つの成分
  • 分析の詳細
  • 分析の結果

分析した4つの成分分析した4つの成分

美容や健康に良いとされる甘酒。森永製菓のこれまでの研究でも、目の下のクマ改善や皮脂抑制効果、毛穴たるみの抑制効果などが示唆されてきました。
今回は下記4つの成分に注目し、成分分析を行いました。

4つの成分の含有量を測定しました。

  • エルゴチオネイン

    キノコや麹菌など一部の微生物のみが産生する含硫アミノ酸の一種で、食物連鎖を介してヒトの体内に吸収されます※1。また皮膚の細胞を用いた実験では、紫外線照射によるコラーゲン分解や炎症を抑えることから、皮膚の光老化を抑制する効果が知られています※2

  • フェルラ酸エチル

    フェルラ酸類縁物質で、本研究により酒粕を含む甘酒に含有されることが見いだされました。最近、抗ストレス作用を有することが明らかになってきました※3,※4

  • フェルラ酸パラクマル酸

    米や小麦などの穀類をはじめさまざまな植物に含まれる成分です。多くが食物繊維などと結合して存在しますが、酒粕や米麹においては麹菌の働きにより結合せずに存在します※5。フェルラ酸は、紫外線吸収作用が強く皮膚の光老化を抑制しメラニン産生関連酵素であるチロシナーゼの活性を阻害することから、サンスクリーン剤や美白スキンケア材として化粧品分野でも広く利用されています※6

分析の詳細分析の詳細

  • 概要

    原料に「酒粕と米麹」、「酒粕のみ」、「米麹のみ」をそれぞれ使用した、3タイプの市販されている甘酒17商品について、エルゴチオネイン・フェルラ酸エチル・フェルラ酸・パラクマル酸の含有量を測定

  • 分析方法

    ■エルゴチオネイン
    LC-MS/MS法
    ■フェルラ酸・パラクマル酸・フェルラ酸エチル
    HPLC-UV法

分析の結果分析の結果

甘酒の成分と配合成分のグラフ甘酒の成分と配合成分のグラフ

エルゴチオネインは、酒粕の甘酒には検出されず、米麹の甘酒に含有されており、酒粕と米麹の甘酒でも含有が確認されました。
フェルラ酸・パラクマル酸は、3タイプすべての甘酒に含有されており、特にフェルラ酸は、酒粕を含む甘酒により多く含有する傾向が見られました。
フェルラ酸エチルは、米麹甘酒には検出されず、酒粕を含む甘酒からのみ検出されました。

甘酒の成分分析を行った結果、酒粕と米麹の甘酒から分析した4つの成分すべての含有が確認されました。
さらに酒粕と米麹の甘酒と、酒粕の甘酒から抗ストレス作用が期待される成分の含有が確認され、これまで注目されていた美容・健康効果の他に、ストレスを和らげる効果という新たな可能性が開かれました。

※1:貫名学「今月の農業」/1月号、p.39~43(2009)
※2:下田博司「FOOD Dtyle 21」/22(2)、p.75~78(2008)
※3:瀬尾誠ら「平成23,24年度 一般社団法人中央味噌研究所女性による研究報告」/35、p.119~128(2014)
※4:新井大祐ら「平成26年度 一般社団法人中央味噌研究所委託研究による研究報告」/37、p.102~106(2016)
※5:橋爪克己「日本醸造協会誌」/110(1)、p.2~7(2015)
※6:Zduñska Ketal.「Skin Pharmacol Physiol」/31(6)、p.332~336(2018)

森永製菓株式会社と独立行政法人酒類総合研究所との共同研究「甘酒関連食品素材の機能性成分の探索」の成果によるものです。

甘酒Lab.(あまざけラボ)