その栄養価の高さから、免疫力の強化などに役立つと言われている甘酒。古来から愛される日本伝統の発酵素材を用いた飲料です。
これまでの森永製菓の研究で、酒粕と米麹を原料とした甘酒飲料を摂取する試験への参加者から「気になる諸症状にかかりにくくなった気がする」との声を多く見受けられたことから今回は、酒粕と米麹を使用した甘酒の継続飲用が、気になる諸症状にどのような効果をもたらすか検証しました。
試験対象
便秘外来に来院している成人女性および参加希望健常成人女性を対象とし、甘酒群57名対照群23名に分けて試験を実施
試験中の離脱や試験食品未摂取、除外基準抵触者を除外した甘酒群37名、対照群18名を解析対象とした
試験飲料
■甘酒群:酒粕と米麹を使用した甘酒(190g)
■対照群:酒粕と米麹の代わりにデンプン分解物を含む飲料(190g)
方法
両群それぞれ、試験飲料を90日間毎日摂取
のどの痛み・発熱・咳・鼻水・下痢・だるさ・倦怠感の症状があった日にちを群間比較
甘酒の摂取群は、諸症状(特に発熱と下痢)の発生日数が有意に少なかったです。
酒粕と米麹を使用した甘酒を飲用したグループでは、気になる諸症状のうち、発熱、下痢の発生日数が少なかったことが認められました。
酒粕と米麹の両方を原料とした甘酒の継続飲用は、気になる諸症状の発生日数を抑制することが示唆されました。
参考文献
松生恒夫ら、Jpn Pharmacol Ther(薬理と治療).49,1445(2021)