論文発表

森永製菓では、日々の研究成果を様々な場所で発表しています。
ここでは、学術誌や書籍に掲載された論文成果をご紹介します。

[瀬戸口裕子ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),52,711 (2024)]
『ぶどう糖含有ラムネ菓子摂取が健康な若年成人の認知課題に伴う脳活動および心理生理状態に与える影響』

健康な若年成人において、ラムネ菓子摂取によってポジティブな気分で認知課題に取組み、選択的注意力と一部の脳活動値が向上することが示された。

[M. Yoshihara et al.: Biochem. Biophys. Rep., 39:101746 (2024)]
『Piceatannol enhances hyaluronic acid synthesis through SIRT1-Mediated HAS2 upregulation in human dermal fibroblasts』

ヒト皮膚線維芽細胞にて、ピセアタンノールはサーチュインを介して、肌の水分保持などに重要な役割を担うヒアルロン酸合成酵素の遺伝子発現を増加させる可能性が示されました。

[K. Tanaka et al.: Life, 14 : 589 (2024)]
『Piceatannol Upregulates SIRT1 Expression in Skeletal Muscle Cells and in Human Whole Blood: In Vitro Assay and a Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Parallel-Group Comparison Trial』

ピセアタンノールが骨格筋細胞にてSIRT1やミトコンドリア生合成に関与する遺伝子発現を増強し脂肪蓄積を抑制すること、およびピセアタンノールを含む食品の摂取によりヒト血中においてもSIRT1遺伝子発現が増加することを見出した。

[吉原瑞樹ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),51,1187 (2023)]
『ピセアタンノール摂取による皮膚粘弾性へ及ぼす影響―ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験―』

健康な成人女性において、ピセアタンノールを含む食品の摂取により皮膚粘弾性指標が改善することが示された。

[下間早織ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),52,57 (2023)]
『酵素処理イソクエルシトリン摂取による皮膚粘弾性へ及ぼす効果』

加齢による肌の衰え(肌の乾燥,たるみなど)が気になる健常な成人男女において、酵素処理イソクエルシトリンを含む大豆プロテインパウダーを摂取することによって肌の弾力が改善されることが示された。

[H. Inagaki et al.: Archives of Clinical Trials,3(2) (2023)]
『Cocoa Relieves Children’s Stress: Randomized Parallel-group Comparison Study』

お湯溶きココアを1日1杯4週間飲み続けたグループの子どもは、ココアを飲まなかったグループの子どもと比較して、精神的健康度が有意に改善する事が示された。

[K. Kishishita et al.: Mechanical Engineering Journal, 18(4), 23-00396 (2023)]
『Novel platform for quantitative evaluation of medicinal efficacy based on contractility of artificial skeletal muscle』

大阪工業大学・立命館大学との共同研究で得られた、骨格筋三次元培養系を用いた食品由来成分の筋収縮力測定について、ケルセチン(Eルチンが体内に入る形)に筋収縮力亢進効果があることがわかった。

[N. Omi et al.:Amino Acids., 55(6):769-776 (2023)]
『Enzymatically modified isoquercitrin in soy protein temporarily enhanced the plasma amino-acid concentrations, antioxidant index, and plasma hormone levels: a randomized, double-blind cross-over trial』

筑波大との共同研究で、ソイプロテインとEMIQを同時摂取することにより、ソイプロテイン単独摂取と比べて
血中総アミノ酸濃度が一時的に統計的有意に高値を示した。また、ソイ+EMIQ摂取群が、有意にテストステロン濃度や抗酸化ストレス指標も高かった。。

[森貞夫ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),50,1557 (2022) ]
『フラバノール含有チョコレート摂取による覚醒度の維持効果』

カカオフラバノールを含むチョコレートの摂取が、長時間の計算問題処理といった事務作業後に一時的に低下する意識の覚醒度を維持する機能を有することを検証した。意識の覚醒度とは、興奮して活発な気分の心理状態を表します。

[R. Furukado et al.:J. Digital Life, 2:1 (2022)]
『Effects of glucose Ramune candy ingestion on concentration during esports play and cognitive function』

eスポーツプレイ中の脳波(感覚運動リズム波)と認知機能テストの結果から、ぶどう糖を多く含むラムネ菓子の摂取は、ぶどう糖を含まない対照食品(プラセボ)を摂取した場合と比べてヒトの高い集中状態の維持に有用であることが示された。

[齋藤恵理子ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療), 50, 1405 (2022)]
『コラーゲンペプチド摂取による皮膚粘弾性へ及ぼす効果 —ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験—』

加齢による肌の衰え(肌の乾燥、たるみなど)が気になる健康な男女において、コラーゲンペプチド含有飲料を摂取することによって皮膚の弾力が保たれることが示された。

[M. Wajiki et al.: Metabolites, 23, 12 (2022)]
『Effect of Sucrose on Amino Acid Absorption of Whey: A Randomized Crossover Trial』

11人の健常者に、ホエイプロテイン、砂糖、ホエイプロテイン+砂糖を摂取させ、経時的に採血した。アミノ酸濃度変化はプロテイン単独でも、砂糖含有でも同等な結果となった。また、血糖値上昇は、プロテイン+砂糖の方が砂糖単独よりも低値を示した。

[A. Sato et al.: Food Sci. Nutr., 10 : 1461 (2022)  ]
『Passion fruit seed extract protects beta-amyloid-induced neuronal cell death in a differentiated human neuroblastoma SH-SY5Y cell model』

神経芽株化細胞において、ピセアタンノールやパッションフルーツ種子エキスが神経突起の断片化と神経細胞死を抑制することを報告した。

[S. Kawakami et al.: Life, 12 : 38 (2022)]
『Constituent Characteristics and Functional Properties of Passion Fruit Seed Extract 』

パッションフルーツ種子に含まれる成分やその機能についてレビューした。

[松島昂史ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療), 49, 2149 (2021)]
『パッションフルーツ種子エキス摂取とパッションフルール摂取によるピセアタンノールの吸収性比較試験』

健康な成人男女において、パッションフルーツ種子エキスの摂取は、パッションフルーツ果実の摂取よりもピセアタンノールの吸収性にすぐれることが示された。

[稲垣宏之ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),49,1697 (2021)]
『フラバノール含有ココア摂取による皮膚血流と皮膚温度に及ぼす効果』

カカオフラバノールを含むココアを1杯飲むことで『皮膚血流量』、『皮膚温度』と『指先の冷えの感覚』が改善することが、健康な成人男女における試験で認められた。

[山本貴之:フードテックの最新動向,67 (2021).]
『第7章 パセノール™の機能性:肌や糖・脂質代謝に対する生理作用』

当社独自素材であるパセノールの生理作用について、特に肌や糖・脂質代謝に焦点を当て、これまでの研究成果をまとめた。

[T. Yamamoto et al:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),49,1487-1500 (2021)]
『Effect of Enzymatically Modified Isoquercitrin on Physical Function in Middle-Aged and Elderly Adults』

健常な中高年を対象に2群に分け、EMIQ(酵素処理ルチン)を含むカプセル、或いは、対照カプセルを12週間摂取させたところ、10メートルの間を歩行する時間を測定するテストにおいて、Eルチン非摂取群と比較してEルチン摂取群で、歩行時間が有意に短縮され、それに伴い歩行速度が向上した。

[稲垣宏之ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),49,1507 (2021)]
『健康な成人におけるぶどう糖含有ラムネ菓子摂取による飲酒後の酔い, 酔い覚めへの影響』

ラムネ摂取で血糖値が上昇するヒトが、飲酒後ラムネ摂取すると、血中アセトアルデヒド濃度や疲労感・だるさ・ふらつきが低く抑制されることが示された

[松生恒夫ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),49(9),1455 (2021)]
『感冒諸症状へ酒粕と米麹を使用した甘酒の摂取が与える影響』

2020年12月~2021年5月の間の3ヵ月間、酒粕と米麹で作った甘酒あるいは対照飲料を摂取した被験者に於いて、感冒諸症状(特に発熱と下痢)発生頻度が異なることを見出した。

[松井直子ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),49,731 (2021)]
『中強度の運動を行った際のピセアタンノール摂取による脂肪燃焼促進効果 -プラセボ対照ランダム化二重盲検クロスオーバー比較試験-』

健常人がピセアタンノール 10mg/日で14日間摂取すると,50% VO2max の中強度で自転車エルゴメーターを30分間漕ぐ運動を行った際に脂肪燃焼が統計的有意に亢進し呼吸商が低下した。

[瀬戸口裕子ら : Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),48,1925 (2020)]
『酒粕と米麹を使用した甘酒の摂取による日常的疲労感へ及ぼす影響 ―ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー比較試験―』

日頃から疲労を感じている50~64歳の女性が、酒粕と米麹を使用した甘酒を2週間摂取した結果、日常生活における疲労感が軽減した。

[森貞夫ら : FoodStyle21,25,37 (2021)]
『日本の美容食品の進化の歴史と今後期待できる美容素材』

内側からの健康美が訴求されてきた食品素材から、市場への定着に必要な研究内容を考察し、それを基に今後拡大が期待される美容食品素材について述べた総説

[川上晋平ら:化学と生物,59,151 (2021)]
『パセノール™(ピセアタンノール)の生理作用 “パッション(情熱)”を込めた独自素材』

当社独自素材であるパセノールの生理作用について、これまでの研究成果をまとめた。

[S. Tsukamoto-Sen et al.: Food&Funct., 12, 825 (2021)]
『Effect of antioxidant supplementation on skeletal muscle and metabolic profile in aging mice』

老齢マウスへのピセアタンノールやEMIQの投与は代謝を改善し、EMIQについては行動量や筋肉の酸化状態を改善することが示された。

[下間早織ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),48,1615 (2020)]
『パッションフルーツ種子エキスの健常成人における長期摂取安全性試験』

20歳以上64歳以下の健常な成人男女11名を対象とし、ピセアタンノール30mg含む食品を90日間摂取させ、摂取前後の、身体測定、理学的検査、血液学検査、血液生化学検査、尿検査、医師による問診の結果を比較した結果、摂取期間前後で基準範囲内での変動はあったものの、安全性が懸念される変動は認められなかった。

[瀬戸口裕子ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),48,1219 (2020)]
『ブドウ糖含有ゼリー飲料摂取による認知機能への効果』

20~39歳の健康な男女16名を対象に、ブドウ糖30gを含有するゼリー飲料、或いはブドウ糖は含まない対照ゼリー飲料を1本摂取させた60分後に脳認知機能を測定して交差群間比較を行ったところ、ブドウ糖含有ゼリー飲料で実行機能と運動速度に関する脳認知機能が向上した。

[Adrianus David Tanzilら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),48,1235 (2020)]
『Effects of oral intake of piceatannol on fat burning』

eBMI値が18.5~25の範囲で、年齢20~39歳の健常成人男女12名を対象に、7日間piceatannolを1本当り10mgを含むゼリー飲料を、或いはpiceatannnolを含まない対照ゼリー飲料を1日1本飲んで貰い、安静時及び25watts程度の日常活動レベルの運動時の呼吸商を測定した。piceatannol含有ゼリー飲用後と対照ゼリー飲料飲用後での呼吸商を交差群間比較したところ、piceatannol含有ゼリー飲料を摂取した場合、安静時-呼吸商が低下し脂質代謝の割合が増加していること、脂質の消費量が増えていることが確認された。

[森貞夫ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),48,1187 (2020)]
『酒粕と米麹を使用した甘酒の摂取による腸内細菌叢へ及ぼす効果』

軽度便秘症成人女性8名を対象に、酒粕と米麹を使用した甘酒もしくは、酒粕と米麹を含まない対照飲料を1日1本それぞれ30日間摂取させる交差比較試験を行ったところ、甘酒摂取により腸内細菌叢中のビフィズス菌の割合が、対照飲料摂取の場合と比較して有意に増加していた。

[松井 悠子ら:薬剤学, 80 (6), 315-321 (2020)]
『服薬補助食品「にがいのにがいのとんでいけ」の小児投薬に対する有用性』

健常成人男女12名を対象に苦味を感じる薬剤2種を摂取させる際、チョコレート味の服薬補助食品の同時摂取させ、服薬補助食品なく服薬した際に感じる苦味が大きく減少すること、その一方で薬剤の服薬後の血液中への移行は服薬補助食品の有無に影響されないことが確認された。

[川上晋平ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),48, 1057 (2020)]
『コラーゲンペプチド,エラスチンペプチド,ヒアルロン酸,パセノール™配合飲料の摂取が肌へ及ぼす効果』

43名の健常成人女性を対象に2群に分け、コラーゲンペプチド10,000mg,エラスチンペプチド,ヒアルロン酸,パセノールTMを含むコラーゲン含有飲料、或いは、上記の原料を含まない対照飲料を24日間1日1本摂取させたところ、角質層の水分量と肌の弾力(R5)がコラーゲン含有飲料摂取群では対照飲料摂取群と比べ有意に向上した。

[H.Maruki-Uchida et al.:Biosci. Biotechnol. Biochem.,84, 1689 (2020)]
『 Amazake Made From Sake Cake and Rice Koji Suppresses Sebum Content in Differentiated Hamster Sebocytes and Improves Skin Properties in Humans 』

甘酒の摂取が皮脂を抑制し、肌の性質を改善することを示した。

[伊藤良一ら:運動生理学会誌 2, 27-32 (2020)]
『ケルセチン配糖体EMIQが運動負荷時の骨格筋に及ぼす影響』

EMIQ(酵素処理ルチン)を運動時に摂取すると、筋重量の増加が見られた。

[下間早織ら:Jpn. Pharmacol. Ther. (薬理と治療), 48, 779 (2020) ]
『ピセアタンノールおよびコラーゲンペプチド、エラスチンペプチド、ヒアルロン酸4糖との組合わせが線維芽細胞でのヒアルロン酸合成へ与える影響』

線維芽細胞において、ピセアタンノールがhyaluronan synthase 1 (HAS1)およびHAS3の発現を上昇させること、およびコラーゲンペプチド、エラスチンペプチド、ヒアルロン酸4糖との併用においてもHAS1の発現を有意に上昇させることが示された。

[稲垣宏之ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療), 48,599 (2020).]
『健康な成人におけるぶどう糖ラムネ菓子摂取によるワーキングメモリーと注意力の改善』

健康な成人男女において、含水結晶ぶどう糖26gを含有するラムネ菓子を摂取30分後から開始した認知機能評価の結果、「注意を維持し記憶に従って正確に対処する能力」や「精度を反映するワーキングメモリー」と「持続的注意力」が、有意に改善された。

[S. Kawakami et al.: Nutrients, 12 : 449 (2020).]
『Intake of a Mixture of Sake Cake and Rice Malt Increases Mucin Levels and Changes in Intestinal Microbiota in Mice 』

酒粕と米麹を配合した餌をマウスに与えると、ムチン量の増加や乳酸菌の割合増加といった腸管バリア機能や腸内細菌叢の改善が見られた。

[西村栄作ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),48,51 (2020).]
『酵素処理イソクエルシトリン,ホエイプロテイン同時摂取が血中アミノ酸濃度に及ぼす影響 —ランダム化二重盲検クロスオーバー比較試験— 』

ホエイプロテインとEMIQを同時摂取することにより、ホエイプロテイン単独摂取と比べて
血中TAA濃度が統計的有意に高値を示し、EAA・BCAAは増加傾向が見られた。

[C. Matsumoto et al.: Hypertension Research, 43 : 575 (2020).]
『Modulation of blood pressure-lowering effects of dark chocolate according to insulin sensitivity-randomized cross over study』

ダークチョコレートは診察室血圧、家庭血圧、血圧変動性、及び各血管指標の改善を来たさなかったが、インスリン感受性が良好な群では診察室血圧および家庭血圧の低下を認めた。DCの血圧降下作用にはインスリン抵抗性感受性が影響する可能性が示唆された。

[下間早織ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),47,12 (2019).]
『コラーゲンペプチド摂取による毛髪へ及ぼす効果およびコラーゲンペプチドが毛乳頭細胞へ与える影響 ―ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験―』

健常な成人男女において、コラーゲンペプチド含有飲料を摂取することによって、毛乳頭細胞を活性化させ、VEGFの発現を上昇させることで、毛を丈夫にし、抜け毛が少ないと感じさせることや、イキイキと前向きな心理状態になることが示された。

[E. Sumiyoshi et al.: Nutrients, 11 : 2800 (2019).]
『Sub-Chronic Consumption of Dark Chocolate Enhances Cognitive Function and Releases Nerve Growth Factors A parallel-Group Randomized Trial』

ダークチョコレート5枚/d 4週間継続摂取により脳認知機能スコアが上昇。摂取後3週間でも高いスコアを維持。血中のNGFが摂取期間に増加した。

[山本貴之ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),47, 1655 (2019)]
『ココア摂取による認知機能へ及ぼす効果 ―ランダム化プラセボ対照二重盲検クロスオーバー比較試験―』

健康な成人男女において、ココアを単回摂取することで、視覚記憶力の精度や持続処理作業時の反応速度といった認知力を維持・増進させた。

[Y. Matsumoto et al.: Drug Discov. Ther., 13 : 244 (2019).]
『Suppressive effects of whey protein hydrolysate on sucrose-induced hyperglycemia in silkworms.』

カイコを用いた血糖値評価系でホエイプロテイン加水分解物は血糖値上昇抑制効果を示した。

[山本貴之ら:Food Style21, 33 (2019)]
『パセノールの時計遺伝子と糖・脂質代謝への作用』

パセノールの時計遺伝子に与える影響と、糖・脂質代謝に対する作用に関して、それらの関連性についてレビューとして論じた。

[T. Yamamoto et al.: Biochem. Biophys. Rep., 20 : 100684 (2019)]
『Effect of piceatannol-rich passion fruit seed extract on human glyoxalase Ⅰ-mediated cancer cell growth』

パセノールエキスやピセアタンノールが、GLOIを介した抗がん効果を示した。

[下間早織ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),47,1269 (2019).]
『米麹甘酒摂取による肌へ及ぼす効果 —ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験—』

中高齢男女において、米麹甘酒を摂取することによって、肌の弾力性を高め、毛穴のたるみを抑制することが示された。

[N. Omi et al.: J. Int. Soc. Sports. Nutr., 16 : 39 (2019). ]
『Effects of enzymatically modified isoquercitrin in supplementary protein powder on athlete body composition: a randomized, placebo-controlled, double-blind trial』

アメフト選手において、ホエイプロテインパウダーよりもホエイプロテインパウダーと同時にEMRを摂取したほうが下肢筋肉量の増加や酸化ストレス指標の改善が示された。

[土屋守克ら:YAKUGAKU ZASSHI 139, 939-953 (2019).]
『入院中の患児に対する2 種類の服薬補助食品の有用性に関する調査』

埼玉医科大学総合医療センター小児科に入院中の小児30名が服薬補助食品を用いて服薬した際の様子を観察した保護者、看護師の回答から、2種類の服薬補助食品を用いた場合に服薬が容易に感じられたこと、ゼリー食品よりチョコレート食品の方が好まれた年齢があったこと、との結果を得た。

[大久保絢夏ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),47,917 (2019).]
『カカオフラバノールの摂取は、筋肉柔軟性と体表面温度において -ランダム化プラセボ対照に重盲検クロスオーバー試験-』

健常若年成人で運動前のカカオフラバノール摂取が、warm-up効果(身体の柔軟性、筋力、瞬発力、パフォーマンス力、皮膚表面温度、筋硬度)を長く持続させた。

[守田稔:イルシー,138,1 (2019).]
『食品の機能性の現状と将来について』

国内の健康食品の機能性について論じた。

[森貞夫ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),47,759 (2019).]
『酒粕と米麹を使用した甘酒の摂取による便通へ及ぼす効果 —ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験— 』

酒粕と米麹で作った甘酒の飲用が、排便回数、排便量を増加させ、便の状態や排便後の感覚を向上させ、便通改善の結果が得られた。

[稲垣宏之ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),47,777 (2019).]
『健常な閉経後女性におけるゼラチン継続摂取が肌の弾力と主観的評価に及ぼす効果 —ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験— 』

ゼラチンの継続摂取は皮虜弾力値R7が03以上の対象者においては皮膚粘弾性の環境要因による低下を抑え,肌の主観的評価を改善する可能性が示唆された。また,ゼラチン 10gの 8週問継続摂取による有害事象は認められず,試験食品の安全性が確認された。

[S. Nonaka et al.: Biochem. Biophys. Rep., 18 : 100643 (2019)]
『Piceatannol alleviates oxidative stress by upregulating heme oxygenase-1 and superoxide dismutase 1 expression in skeletal muscle cells』

骨格筋細胞にて、ピセアタンノールが他のポリフェノールと比較して、酸化ストレス防御因子であるHO-1の遺伝子発現を顕著に上昇させた。

[下間早織ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),47,493 (2019).]
『コラーゲンペプチド摂取による骨代謝マーカーへ及ぼす効果 ―ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験―』

中高齢男女において、コラーゲンペプチド含有飲料を摂取することによって、骨形成の促進を助けることが示された。

[T. Yamamoto et al.: Journal of Functional Foods, 56: 49 (2019)]
『Effect of piceatannol on circadian Per2 expression in vitro and in vivo』

パッションフルーツ種子エキスや、その有効成分であるピセアタンノールは、時計遺伝子の発現変動に影響を与えることが示された。

[松井悠子ら:安定同位体と生体ガス 医学応用,11,51-59 (2019)]
『安定同位体呼気試験に用いた服薬補助剤が薬剤の吸収・代謝に及ぼす影響の評価』

健常成人男女21名を対象に、純チョコレート菓子を服薬補助食品として用いた際に、13CO2標識酢酸ナトリウム摂取後の呼気中3CO2変化を測定することにより、服薬補助食品の有無が薬剤の吸収・代謝に影響を与えるか検証し影響がないことが確認された。

[稲垣宏之ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),46,1985 (2018).]
『酒粕および米麹熱水抽出物が培養線維芽細胞のコラーゲンゲル収縮、脂腺細胞のMMPsと脂質産生に及ぼす影響』

酒粕、米麹が相加的に線維芽細胞のコラーゲンゲル収縮を高め、脂腺細胞のProMMPsにおいては米麹成分が、脂腺細胞のトリグリセリド産生には酒粕成分が有用性を示すことを明らかにした。ヒトでの効果は、酒粕と米麹それぞれが機能を発揮している可能性が示唆された。

[伊藤真理子ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),46,1941 (2018).]
『甘酒摂取が肌へ及ぼす効果の検討 ―ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験―』

35-45歳の閉経前女性がフリーズドライ甘酒1日2個を5週間摂取すると、肌の毛穴たるみ率がプラセボ対照群に比べ改善した。

[H. Maruki-Uchida et al.: J. Nutr. Sci. Vitaminol., 64 : 75 (2018)]
『Effect of Passion Fruit Seed Extract Rich in Piceatannol on the Skin of Women: A Randomized, Placebo-Controlled, Double-Blind Trial』

Piceatannol摂取は、肌水分が低い女性の水分量を増やし、アンケートで疲労を改善した。

[山本貴之ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療), 46, 1191 (2018)]
『ピセアタンノール摂取による肌の水分や弾力へ及ぼす効果』

肌の乾燥を有する(乾燥に悩む)中高齢男女において、ピセアタンノールを摂取することによって、肌水分を維持し、弾力を保つことが示された。

[T. Furuya et al.: Journal of Bioscience and Bioengineering, 126 : 478 (2018).]
『Efficient monooxygenase-catalyzed piceatannol production: Application of cyclodextrins for reducing product inhibition』

HpaBCを利用したピセアタンノール合成の際にβ-CDおよびγ-CDを添加すると収率が向上することが明らかとなった。

[瀬戸口裕子ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療), 46, 911 (2018)]
『パッションフルーツ種子エキスの健常人成人における過剰摂取安全性試験』

ピセアタンノール摂取量100 mg相当のパッションフルーツ種子エキス配合飲料を4週間摂取した健常な成人男女において、安全性に問題がないことが示された。

[山本貴之ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),46,837 (2018).]
『コラーゲンペプチド摂取による膝関節の自覚症状へ及ぼす効果』

膝の自覚症状があり、移動機能が低下している中高齢男女において、コラーゲンペプチド含有飲料を摂取することによって、膝関節機能に関わるふだんの活動を改善させることが示された。

[山本貴之ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療), 46, 849 (2018)]
『コラーゲンペプチド摂取による肌蒸散へ及ぼす効果』

肌の乾燥を有する(乾燥に悩む)中高齢男女において、コラーゲンペプチド含有飲料を摂取することによって、肌水分の蒸散を防ぐことが示された。

[T. Furuya et al.: J. Biosci. Bioeng., 126 : 478 (2018)]
『Efficient monooxygenase-catalyzed piceatannol production: Application of cyclodextrins for reducing product inhibition.』

ピセアタンノールの合成法の最適化。

[杉山和久ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),45,653 (2018).]
『カカオ由来リグニンによる便通および便臭改善の検証試験 -無作為化二重盲検クロスオーバー試験-』

20歳から60歳の健康な男女で便秘傾向の試験対象者が、ココア10gを 1日1回2週間摂取することにより、便通および便臭が改善した。またこれら双方の改善効果に関与する主たる成分としては、ココアに含まれる不溶性食物繊維の中でもカカオリグニンが寄与していると考えた。

[今田隆将ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),46,599 (2018).]
『ココア摂取が高齢者におけるウォーミングアップの効果に及ぼす影響 -プラセボ対照単盲検クロスオーバー比較試験-』

高齢者においてWarm-up30分前のココアの摂取は、柔軟性、筋力、荷重の前方への移動といったWarm-upによる効果をより長時間維持することが分かった。こうした効果は体温、下肢表面温度の上昇から下肢の血液循環動態を改善したことが要因と示唆された。

[大久保絢夏ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),46,609 (2018).]
『ココアがウォーミングアップ後の柔軟性に与える影響 ―プラセボ対照二重盲検クロスオーバー比較試験―』

健常な高齢者がWarm-up前にカカオフラバノールを30 mg含むココアを摂取することにより、Warm-up後の柔軟性、体温、筋力、平衡機能がプラセボ飲料の摂取と比較して有意に改善した。以上によりWarm-upの持続効果を有することが確認できた。

[瀬戸口裕子ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療), 46, 267 (2018).]
『加水分解度の異なる豚皮由来コラーゲンの吸収性比較評価』

加水分解度の異なる3種類の豚皮由来コラーゲン(コラーゲンペプチド、ゼラチン、豚皮スナック)を摂取した健常成人男女において、コラーゲンペプチドが最も速やかに吸収されることが示された。

[稲垣宏之ら:安定同位体と生体ガス 医学応用,9,11 (2017).]
『ココアによる体内水素産生調節作用』

半導体センサー型水素測定器は、呼気中水素濃度の経時的変化を捉える有用な方法として研究や臨床での応用が期待できた。水摂取後(Vehicle)の呼気中水素濃度の経時的変化を指数曲線で回帰することで、ベースラインを推定できる事を示した。ココアは乳糖耐性に依存した体内水素産生調節作用を示した。

[M. Umehara et al.: Journal of Functional Foods, 40 : 477 (2018)]
『Effects of phenolic constituents of Luffa cylindrica on UVB-damaged mouse skin and on dome formation by MDCK I cells』

L.cylindrica抽出物は、ドライシンドローム(乾燥症候群)を改善する可能性を示した。

[森貞夫ら:Jpn. Pharmacol. Ther.(薬理と治療),45,1787 (2017).]
『豚皮由来コラーゲンペプチド摂取による爪の水分量および丈夫さに及ぼす効果-ランダム化二重盲検プラセボ対照比較試験-』

コラーゲンペプチドの経口摂取は、爪中の細胞間脂質(スフィンゴシンおよびセラミド)を増加させることにより、爪の保水性を保って乾燥を防ぎ、爪のしなやかさを向上させた。

[H. Maruki-Uchida et al.: Drug Discov. Ther., 11 : 288 (2017).]
『Evaluation of the innate immune-stimulating activity of amazake using a silkworm muscle contraction assay』

カイコをもちいた自然免疫賦活活性評価で酒粕が効果を示した。

[M. Kitada et al.: Nutrients, 9 : 1142 (2017)]
『The Effect of Piceatannol From Passion Fruit (Passiflora Edulis) Seeds on Metabolic Health in Humans 』

Piceatannol摂取は、過体重の男性において、インスリン感受性、血圧、心拍数を改善した。

[A. Kohara et al.: J. Int. Soc. Sports. Nutr., 14 : 32 (2017).]
『Enzymatically modified isoquercitrin supplementation intensifies plantaris muscle fiber hypertrophy in functionally overloaded mice. 』

協働筋切除の過負荷モデルにおいて、EMRは筋肥大効果を示した。

[M. Umehara et al.: Food Research International, 102:77(2017)]
『Investigation of epigallocatechin-3-O-caffeoate and epigallocatechin-3-O-pcoumaroate in tea leaves by LC/MS-MS analysis』

主要なカテキンよりも強い抗酸化活性を示すepigallocatechin-3-O-caffeoateが様々な茶葉に含まれていることを明らかにした。

[R. Takasawa et al.: Bioorg. Med. Chem. Lett., 27 : 1169 (2017)]
『Piceatannol, a natural trans-stilbene compound, inhibits human glyoxalase I』

ピセアタンノールが、GLOIを介した抗がん効果を示した。

[D. Arai et al.: Food Funct., 7 : 4432 (2016)]
『Piceatannol is superior to resveratrol in promoting neural stem cell differentiation into astrocytes』

ピセアタンノールはレスベラトロールより脳のアストロサイト分化を促進する。

[A. Ishihata et al.: Food Funct., 7 : 4075 (2016)]
『Vascular- and hepato-protective effects of passion fruit seed extract containing piceatannol in chronic high-fat diet-fed rats』

パッションフルーツ種子エキスが高脂肪食負荷ラットにおいて血管・肝臓機能の低下を抑制した。

[織谷幸太:ポリフェノール:機能性成分研究開発の最新動向(2016)]
『【食品素材としてのポリフェノールの研究開発】ーフェニルプロパノイドなどー パセノールTM(パッションフルーツ種子エキス)の開発』

パセノールTMの有効成分ピセアタンノールの高い経口吸収性、並びにピセアタンノールとその生体内主要代謝物であるイソラポンチゲニンの生理作用について、SIRT1誘導作用と血糖値上昇抑制作用を中心に解説した。

[S. Kawakami et al.: Fragrance Journal, 44 : 43 (2016).]
『酒粕と米麹を使用した甘酒の美容効果』

甘酒の美容効果について、甘酒の原料である酒粕や米麹中の成分及びその機能性、並びに東京工科大学と共同で実施した甘酒飲用試験での美容効果について解説した。

[亀井優徳:ポリフェノール:機能性成分研究開発の最新動向 (2016)]
『「べにふうき」緑茶の食品への利用』

メチル化カテキンを含有し、高い抗アレルギー効果を示す「べにふうき」緑茶を食品としておいしく摂取していただくための取り組みとして、苦味・渋味のマスキング効果を高めるための素材の選択や加工時の工夫について解説した。

[T. Yamamoto et al.: Food Sci. Nutr., 5 : 76 (2016)]
『Piceatannol exhibits anti-inflammatory effects on macrophages interacting with adipocytes』

京都大学との共同研究で、糖尿病発症の原因であるインスリン抵抗性を模倣した培養細胞の実験系で、ピセアタンノールが抗炎症作用を示すことを発表した。

[H. Inagaki et al.: Journal of Agricultural and Food Chemistry, 64 : 3557 (2016)]
『Administration of Piceatannol Complexed with α-Cyclodextrin Improves Its Absorption in Rats』

ピセアタンノールとα-シクロデキストリンを組み合わせることで、ピセアタンノールの水溶性が向上し、腸管内移動速度を速めてピセアタンノールが体内へ早くかつ多く吸収されることを明らかにした。さらにピセアタンノールの代謝物であるイソラポンチゲニンが血液中により多く認められるようになることを発表した。

[川上晋平ら:FOOD STYLE21, 20, 58 (2016)]
『パセノール™ の肌への作用』

パセノールTMの有効成分であるピセアタンノールの皮膚角化細胞や線維芽細胞への作用、およびヒトでの肌への作用を中心に解説した。

[S. Kawakami et al.: Front. Hum. Neurosci., 9 : 720 (2016).]
『The Brain Mechanisms Underlying the Perception of Pungent Taste of Capsaicin and the Subsequent Autonomic Responses』

大阪大学および生理学研究所との共同研究で、トウガラシエキス摂取による辛味刺激により、脳のどの領域が活性化するのかを検証した。

[Y. Oritani et al.: Biochemical Biophysical Research Communications, 470 : 753 (2016)]
『Enhanced glucose tolerance by intravascularly administered piceatannol in freely moving healthy rats.』

東京大学との研究で、健康なラットにおいてピセアタンノールが血糖値の上昇抑制作用を持つことをストレス負荷の少ない実験方法を用いて示し、その作用にはインスリンの分泌が関わっていることを発表した。

[S. Kawakami et al.: Front. Hum. Neurosci., 9:720 (2016).]
『The Brain Mechanisms Underlying the Perception of Pungent Taste of Capsaicin and the Subsequent Autonomic Responses』

大阪大学および生理学研究所との共同研究で、トウガラシエキス摂取により、島皮質味覚野に相当する領域のみならず自律機能関連領野においても強い賦活が認められること、およびその活動は指先の体温変化と相関が見られることを発表した。

[Y Oritani et al.: Biochemical Biophysical Research Communications, 470(3) : 753-758 (2016).]
『Enhanced glucose tolerance by intravascularly administered piceatannol in freely moving healthy rats』

東京大学との共同研究で、健康なラットにおいてピセアタンノールが血糖値の上昇抑制作用を持つことをストレス負荷の少ない実験方法を用いて示し、その作用にはインスリンの分泌が関わっていることを発表した。

[K. Suzuki et al.: Biosci. Biotechnol. Biochem., 79(10) : 1669-75 (2015).]
『Carbon tetrachloride-induced hepatic and renal damages in rat: inhibitory effects of cacao polyphenol.』

東北大学との共同研究で、四塩化炭素による腎障害モデルラットにおいて、カカオポリフェノール抽出物の投与がCYP2E1活性を抑制し四塩化炭素によるラジカルを減少させることで、腎臓における過酸化脂質の増加を抑制することを発表した。

[H. Uchida-Maruki et al.: Biological and Pharmaceutical Bulletin, 38:629 (2015)]
『Piceatannol Lowers the Blood Glucose Level in Diabetic Mice』

糖尿病モデルマウスおよび肥満モデルマウスにおけるパッションフルーツ種子エキスの血糖降下作用を発表した。

[M. Kamei et al.: J. Sci. Food Agric., 15, 96(4):1150-8]
『Anti-influenza virus effects of cocoa.』

大阪府立公衆衛生研究所並びに埼玉医科大学との共同研究で、ココアの抗インフルエンザウイルス効果について、試験管内試験、動物試験、ヒト試験で検証し、ココアはインフルエンザウイルスが細胞に感染するのを抑制するのと同時に、免疫力を高めることによって抗インフルエンザ効果を発揮することを発表した。

[川上晋平:日本味と匂学会誌,22(1),21-25 (2015)]
『食経験や味刺激がもたらす味覚認知の変化』

東京大学とのマウスを用いた共同研究結果を中心に、離乳期の食経験による脳内分子の変動や、その後の嗜好性に与える影響について解説した。

[A. Kohara et al.: International Journal of Sport and Health Science, 12:24-30 (2014)]
『Carbohydrate Gel Ingestion Immediately before Prolonged Exercise Causes Sustained Higher Glucose Concentrations and Lower Fatigue』

立命館大学との共同研究で、ヒト試験でインゼリーの経口摂取による運動時の疲労感抑制の影響を調べた結果、運動開始直前および120分前におけるエネルギーイン摂取が、長時間運動の後半における主観的疲労度を軽減させることを発表した。

[Y. Setoguchi et al.: Journal of Agricultural and Food Chemistry, 62 : 2541 (2014)]
『Absorption and Metabolism of Piceatannol in Rats』

新潟工科大学との共同研究で、ラットを用いた経口投与実験により、ピセアタンノール未変化体の体内吸収性がレスベラトロールよりも2倍高く、またピセアタンノールがイソラポンチゲニンなどへ代謝されることを発表した。

[A. Tabara.: Biosci. Biotechnol. Biochem., 78, 9:1572-6 (2014)]
『Dermination of hydrophobicity of dry-heated wheat starch granules using sucrose fatty acid esters (SFAE)』

神戸女子大学と共同研究で、乾熱処理を施した小麦粉に ショ糖脂肪酸エステルを結合させると、処理時間に伴い、小麦粉に結合するショ糖量が増えるとともに、小麦粉とオイルとの結合力に相関関係が見られた。

[Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry 2014, 78(12), 2059-2063]
『Theobromine enhances absorption of cacao polyphenol in rats.』

京都大学との共同研究で、ラットを用いた実験により、テオブロミンの濃度依存的に、カカオポリフェノールの体内吸収性が向上することを発表した。

[2014年7月 女性の疾患と美容のための機能性素材の開発]
『ココアの冷え抑制効果』

滋賀県立大学灘本知憲名誉教授との共著で、ココアの冷え性抑制効果について各種試験条件下での試験結果を示し解説した。

[S Kawakami et al., Nutrients, 6 : 4794 (2014)]
『Piceatannol and Its Metabolite, Isorhapontigenin, Induce SIRT1 Expression in THP-1 Human Monocytic Cell Line』

パッションフルーツ種子抽出物および有効成分であるピセアタンノールがヒト単核球細胞株THP-1において長寿遺伝子SIRT1の発現を増加させること、さらにピセアタンノールの体内代謝物であるイソラポンチゲニンにも同様の作用があることを発表した。

[2014年4月 美肌科学の最前線]
『コラーゲンペプチドの美肌効果』

東京工科大学前田教授との共著で、コラーゲンペプチドの美容効果に関して、近年分かってきた作用メカニズムおよび蓄積されつつあるヒト試験のエビデンスについて解説した。

[2014年4月 美肌科学の最前線]
『アンチエイジング素材“パセノール(TM) ”の肌に対する機能性』

東京工科大学前田教授との共著で、食品原料および化粧品原料としてのパセノール™の「コラーゲン産生増強」や「ヒトでのたるみ改善」などの美肌作用について解説した。

[Y. Matsumoto et al.: Int. j. med. res. health sci., 3 : 541 (2014)]
『EFFECTS OF SCIRPUSIN B, A POLYPHENOL IN PASSION FRUIT SEEDS, ON THE CORONARY CIRCULATION OF THE ISOLATED PERFUSED RAT HEART』

山形大学との研究で、ラットから摘出された灌流心臓を用いた実験により、ピセアタンノールの二量体であるスキルプシンBは、NO(一酸化窒素)および血管拡張プロスタノイドの産生を介して冠血流を増加させることを発表した。

[柳江 高次:FOOD STYLE21,18,160 (2014)]
『パセノール™のアンチエイジング飲料への応用』

パセノール™の有効成分であるピセアタンノールの体内吸収性や皮膚への作用を中心に、アンチエイジング素材としての飲料への応用について解説した。

[2013年11月 ゲルの安定化と機能性付与・次世代への応用開発]
『多糖類を用いたゲル状食品の食感開発』

ジェランガムのゲル化挙動と構造形成に対して、冷却速度は異なった様式で影響を与え、その影響はカルシウム濃度により異なることを紹介。差別性のある新食感ゲル状食品の開発に役立てる。

[Y. Oritani et al.: Biological and Pharmaceutical Bulletin, 36(10):1577-1582 (2013)]
『Comparison of (-)-Epigallocatechin-3-O-gallate (EGCg) and O-Methyl EGCG Bioavailability in Rats』

機能性茶品種“べにふうき”の有効成分であるメチル化カテキン(EGCG3”Me)を緑茶の主要なカテキンであるエピガロカテキンガレート(EGCG)とラットで比較した結果、メチル化カテキンの血中濃度が顕著に高い理由が吸収率だけでなく体内での分布が関わっている可能性を示した。

[K. Suzuki et al., Biosci. Biotechnol. Biochem., 77(8):1792-4 (2013)]
『Oxidative Stress during Development of Alcoholic Fatty Liver: Therapeutic Potential of Cacao Polyphenol』

東北大学との共同研究。アルコール摂取による脂肪肝生成時の酸化ストレスをカカオポリフェノールが軽減し、脂肪肝生成の抑制効果が認められた。

[内田裕子ら:月刊 ファインケミカル, 42(8), 7-12 (2013)]
『コラーゲンペプチド配合飲料の美肌効果』

東京工科大学との共同研究で、コラーゲンペプチドを10g配合した飲料を24日間摂取した際の肌への効果について調べたところ、肌の水分量、粘弾性、バリア機能等が改善し、コラーゲンペプチド摂取は美肌作用があることが示された。

[伊藤良一ら:日本食品科学工学会誌, 60(6),278-285 (2013)]
『コラーゲンペプチド経口摂取による加齢モデルラットでのコラーゲン組織形成促進効果』

加齢モデルラットにおけるコラーゲン合成の比較において、コラーゲンペプチドの経口投与は、カゼインペプチド、大豆ペプチド、乳タンパク質の経口投与よりも効果が高いことを示した。

[H. Maruki-Uchida et al.,Biol. Pharm. Bull., 36 : 845 (2013)]
『The Protective Effects of Piceatannol from Passion Fruit (Passiflora edulis) Seeds in UVB-Irradiated Keratinocytes』

東京工科大学との研究によって、ピセアタンノールは表皮細胞のグルタチオンを増加させ、UVB照射時の活性酸素の産生を抑制することで、皮膚線維芽細胞でのMMP-1(コラーゲン分解酵素)の活性化を抑制することを示した。

[I. Kurita et al.: Food and Function, 4(2):249-257 (2013)]
『Hydroxylation of (-)-epigallocatechin-3-O-gallate at 3”, but not 4”, is essential for the PI3-kinase/Akt-dependent phosphorylation of endothelial NO synthase in endothelial cells and relaxation of coronary artery rings』

フランスのストラスブール大学との国際共同研究によって、エピガロカテキンガレート(EGCg)の各水酸基が一酸化窒素合成酵素(eNOS)誘導の血管弛緩にどのような役割を果たしているかを検討した結果、3”位の水酸基が特に重要であることや3'と4'の水酸基も血管弛緩に重要な役割を果たしていることが分かった。

[Y. Kinoshita et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 430 : 1164 (2013)]
『Effect of long-term piceatannol treatment on eNOS levels in cultured endothelial cells』

ピセアタンノールには血管老化の予防に重要な一酸化窒素合成酵素(eNOS)を増加させる作用があることを明らかにした。更に、その作用がレスベラトロールよりも強いことが示唆された。

[M. Saito et al.; The Journal of Neuroscience, 32(39):13470-13487 (2012)]
『Capsaicin Induces Theta-Band Synchronization between Gustatory and Autonomic Insular Cortices』

大阪大学との共同研究により、辛味成分カプサイシンの投与により、脳の味を感じる領域(島皮質味覚野)に生じる神経活動は、隣接する内臓機能をコントロールする領域(島皮質自律機能関連領野)へと拡がることや、これらの神経細胞の間で特定のリズムで同期化した神経ネットワーク活動が生じることを明らかにした。

[2012年4月 Cocoa Butter and Related Compounds]
『Morphology of Chocolate Fat Bloom』

チョコレートにおけるブルーム現象に関して、従来知られているものから新たに報告のあったタイプに至るまで、各種チョコレートブルームを分類し、その存在状態について解説するとともに、発生機構についても考察を行った。

[S. Kawakami et al.: Neuroscience, 218:326-34 (2012)]
『Accumulation of SNAP25 in mouse gustatory and somatosensory cortices in response to food and chemical stimulation.』

東京大学と共同で、離乳期マウスが固形食を摂取することで、数日以内にシナプス関連タンパク質であるSNAP25の大脳皮質での蓄積量が大きく増加することを見出した。

[S. Sano et al., J. Agric. Food Chem., 59 : 6209 (2011)]
『Identification of the Strong VasorelaxingSubstance Scirpusin B, a Dimer of Piceatannol, from Passion Fruit (Passiflora edulis) Seeds』

山形大学との共同研究により、パッションフルーツには、ピセアタンノールというポリフェノールが多く含まれているが、次いで多く含まれているのが、その二量体であるスキルプシンBというポリフェノールであることを同定した。また、スキルプシンBは、ピセアタンノールよりも強い抗酸化活性及び血管弛緩作用を持つことが分かった。

[小原亜希子ら:FOOD STYLE21,15(9):48-50 (2011)]
『筋肥大の鍵を握るEMR配合プロテインの開発』

EMR(Enzymatically Modified Rutin)がマウスにおいて筋肥大を導くことを見出し、さらにヒトにおいてもレジスタンス運動後の同化ホルモン分泌動態に効果を示すことを見出した。 これらの研究成果からEMR配合プロテインが開発された。

[K. Yogo et al., Analytical Sciences, 27:1257-60 (2011)]
『An Abnormal Temperature Dependence of Alkylpyrazines' Retention in Reversed-Phase Liquid Chromatography』

豊橋技術科学大学との共同研究により、逆相HPLCにおけるピラジン類の保持挙動が、異常な温度応答を示すことを明らかにした。

[2011年7月 食品の界面制御技術と応用 -開発現場と研究最前線を繋ぐ-第3編「界面制御技術の応用例」]
『第10章 菓子類 1. ビスケット類』

ビスケット類の分類と特徴の説明、乳化剤利用で期待される効果について執筆した。

『第10章 菓子類 2. キャンディ類』

ハードキャンディ、ソフトキャンディ、錠菓についての乳化剤の活用など、界面の状態への影響について執筆した。

[K. Takeda et al.: Journal of Nutritional Science and Vitaminology, 57(3):246-250 (2011)]
『Effects of Citrulline Supplementation on Fatigue and Exercise Performance in Mice.』

筑波大学との共同研究で、シトルリンの摂取がマウスにおける運動パフォーマンスと疲労の原因であるアンモニアの解毒を促進することを確認した。

[トレーニング科学 2011, 23(2), 135-142]
『間欠的自転車運動直後の糖質-タンパク質混合サプリメント摂取が疲労回復に及ぼす影響』

仙台大学との共同研究で、間欠的自転車運動直後の低エネルギーの糖質-タンパク質混合サプリメントの摂取が、パフォーマンスタイムを増加し、運動翌日の疲労感の減少と尿中3-MH/Cr比を有意に抑えることを見出した。

[Y. Matsui et al., J. Agric. Food Chem., 58 : 11112 (2010)]
『Extract of Passion Fruit (Passiflora edulis) Seed Containing High Amounts of Piceatannol Inhibits Melanogenesis and Promotes Collagen Synthesis』

弘前大学との共同研究により、パッションフルーツ種子抽出物がヒト由来皮膚細胞においてメラニン生成抑制効果及びコラーゲン生成促進効果を有しその主な活性成分がポリフェノールの一種であるピセアタンノールであることを明らかにした。また、その含有量がこれまで報告されてきた他の天然物よりも多いことを見出した。

[Y. Kinta et al., Journal of the American Oil Chemists' Society, 87(1):19-27 (2010)]
『Bloom Formation on Poorly-Tempered Chocolate and Effects of Seed Addition』

テンパリング不足が原因で発生するチョコレートブルームの存在状態と発生メカニズムを明らかにした。またその根幹となるココアバターの結晶化について、シードの影響を解析した。

[I. Kurita et al.: Journal of Agricultural and Food Chemistry, 58(3):1903-8 (2010)]
『Antihypertensive Effect of Benifuuki Tea Containing O-methylated EGCG』

農研機構野菜茶業研究所と九州大学との共同研究で、べにふうきに含まれるエピガロカテキン3-O-(3-O-メチル)ガレート(EGCg3”Me)が一般的なお茶に含まれるEGCgと比較して、血圧上昇に関与する酵素であるACE(アンジオテンシン変換酵素)を有意に阻害した。さらに人の臨床試験においても高血圧抑制に効果があった。

[C. Hirao., J. Oral. Biosci., 52(3):283-91 (2010)]
『Antibacterial Effects of Cocoa on Periodontal Pathogenic Bacteria』

鶴見大学との共同研究。口腔内の2大疾患の一つである歯周病の原因である歯周病菌に対するココアの抗菌効果を調べた。ココアは高い抗菌効果を有し、その有効成分の主なものはポリフェノールであることを発見した。

[織谷幸太ら:日本食品科学工学会誌, 56(7), 412-418 (2009)]
『「べにふうき」緑茶による脂肪蓄積抑制の作用機序』

東京大学並びに農研機構野菜茶業研究所との共同研究で、茶品種「べにふうき」の脂肪蓄積抑制作用のメカニズムについて明らかにした。べにふうきに含有されるメチル化カテキンは培養細胞を用いた実験で脂肪細胞の分化を抑制すること、さらにメチル化カテキンはラットを用いた実験でEGCGよりも吸収性が高いことを発表した。

[稲垣宏之ら:日本食品科学工学会誌, 56(7), 403-411 (2009)]
『高脂肪飼料摂取マウスにおける「べにふうき」緑茶の脂肪蓄積抑制効果』

農研機構野菜茶業研究所との共同研究で、高脂肪飼料摂取による肥満モデルマウスにおいて、メチル化カテキンを含む「べにふうき」緑茶の脂肪蓄積抑制作用は、メチル化カテキンを含まない「やぶきた」緑茶と比べて有意に強いことを発表した。

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