近年、美容成分として注目を集めている成分がコラーゲン、セラミド、ヒアルロン酸です。3つの成分は「美容に関連する成分」としては認識しているものの、具体的に「どういう働きをする成分なのか」「何が違うのか」を知らない方も多いでしょう。
それぞれ成分の働きを知っておくことで、より自分に合った化粧品や健康食品、サプリメント等を選べるようになります。今回は3つの中でも特に気になる方が多いコラーゲンを中心に、その働きや役割を具体的に解説します。
美容ドリンクとは、美容目的で飲用される飲料のことです。
美しくあるためには健康的な肌を保つことが欠かせません。
そこで活用したいのが保健機能食品です。保健機能食品には3つの種類があります。
上記は、国が設定した安全性や有効性の規格基準を満たした食品です。肌をすこやかに保つために、これらを上手に取り入れていきましょう。
肌にとって大事なのが、以下5つの成分です。
それぞれの働きを簡単に解説します。
成分 | 体の中で果たしている役割 |
---|---|
コラーゲン | 肌にハリ・弾力を与えるとともに、水分を蓄える |
ヒアルロン酸 | 水分を蓄え、みずみずしい肌を作る |
セラミド | 乾燥を防ぎ、肌のバリア機能を強化する |
ビタミン | タンパク質のもととなるアミノ酸の代謝をサポートしたり、酸化を防いだりする |
エラスチン | コラーゲン同士を結びつけ、弾力のある肌を維持する |
以下でそれぞれの成分を詳しく紹介します。
コラーゲンは美容成分としてもっともメジャーな成分の一つです。
コラーゲンは皮膚や血管、靭帯(じんたい)、軟骨などを構成するたんぱく質の一つです。特に、皮膚の中に多く含まれるとされています。人間の体はたんぱく質の約30%をコラーゲンが占めているのですが、そのうちの40%は皮膚に存在しているのです。
このように、コラーゲンは皮膚を健康に保つうえで重要な役割を果たしているのです。
※「コラーゲン」の詳細は下の記事をご覧ください。
コラーゲンとは?効果的な摂取方法やコラーゲンを含む食品について
コラーゲンと並んで注目されているのがヒアルロン酸です。美容成分として化粧品や美容ドリンク等に多く使われています。
ヒアルロン酸とは、体内に含まれる多糖類の一種です。特に、皮膚や関節に多く含まれ、吸湿・保湿作用や弾力化作用があるとされています。
主に関節用注射剤や点眼薬として医薬品に使われたり、化粧水や美容液として化粧品に用いられたりします。また、サプリメントや美容ドリンクに配合されることもあります。
ヒアルロン酸は、肌の水分量を保つのに重要な成分です。水を抱えて肌のすき間を満たし、うるおいを生み出す働きがあります。
そうした働きを持つことから、医療現場においては関節機能改善や眼科手術補助として使用されることもあります。
ヒアルロン酸を摂取するには、主に3つの方法があります。
ヒアルロン酸を含む食品としては、鶏の軟骨やトサカ、豚足、フカヒレなどが挙げられます。食事からでも摂取は可能ですが、サプリメント等で上手に補うのが良いでしょう。
セラミドもコラーゲンやヒアルロン酸と同じく肌に含まれる成分の一つです。
セラミドとは、肌の角層細胞において隙間を満たし、水分をつなぎとめている成分です。加齢とともに減少し、乾燥肌になる原因の一つであるとされています。
化粧品等に用いられることが多いですが、セラミド配合のサプリメントや美容ドリンクも増えています。
セラミドには、以下の働きがあります。
セラミドは水分をつなぎとめる役割があるため、減少すると肌が乾燥しやすくなります。また、化学物質など皮膚に刺激を与えるような異物の侵入を防ぐといった肌のバリア機能を保つ役割も持っています。セラミドは、肌を健康で美しい状態に保つために欠かすことのできない成分であるのです。
セラミドは日常的な食事やサプリで摂取することができます。一般的には以下の食品に多く含まれる、とされています。
食事からも摂取は可能ですが、サプリメントや美容ドリンクなどで補うのがおすすめです。コラーゲンやヒアルロン酸など、他の美容成分との複合タイプであれば、より効率的に摂取することも可能です。
ビタミンは人間が健康的に生きていく上で欠かせない栄養素の一つです。
ビタミンとは、人体の機能を正常に保つための有機化合物です。主に水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンがあります。
水溶性ビタミン | 脂溶性ビタミン |
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・ビタミンB群 (B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン) ・ビタミンC |
・ビタミンA ・ビタミンD ・ビタミンE ・ビタミンK |
基本的に、ビタミンには「体内で合成しにくい」という性質があります。したがって、ビタミンを摂取するためには、日頃の食生活で意識的に取り入れるのがおすすめです。
ビタミンによって果たす役割が異なります。美容成分として注目されるのが以下のビタミンです。
ビタミンB群のなかでも、ビタミンB6にはタンパク質のもととなるアミノ酸の代謝をサポートする役割があります。肌はタンパク質でできているため、ビタミンB6の摂取は欠かせません。
ビタミンCは体内でコラーゲンを合成するときに必要な成分として知られています。コラーゲンは上述したとおり、健康的な肌を作る上で非常に大事な成分です。
ビタミンEには抗酸化作用があるとされています。
ビタミンは日常的な食事で摂取できます。上記3つのビタミンが多く含まれている食品は以下のとおりです。
ビタミン | 多く含まれている食品 |
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ビタミンB6 | ・赤身肉 ・マグロ ・鶏肉 ・バナナ ・とうがらし ・にんにく ・バジルなど |
ビタミンC | ・ピーマン ・イチゴ ・キャベツ ・さつまいもなど |
ビタミンE | ・オリーブオイル ・アーモンド ・とうがらし ・鶏卵 ・大豆 ・アボカド ・うなぎ ・カボチャなど |
※参考:文部科学省|食品成分データベース
美容成分として注目されているのがエラスチンです。以下で、その働きについて触れていきます。
たんぱく質の一つであるエラスチンは、弾力に優れた繊維の主成分で、コラーゲン同士を結びつける働きがあります。一般的に、靭帯や動脈、皮膚(真皮)のなかに含まれているとされています。
コラーゲンが体内で継続的に生成されるのに対し、エラスチンは基本的に一度だけしか生み出されないと言われています。加齢によりだんだんと減少していくほか、質も悪くなることがわかっています。
エラスチンが持つ働きは以下のとおりです。
コラーゲン同士を結び付け、肌のハリや弾力を保つ働きがあります。
エラスチンは研究段階であり、どのように摂取すれば効率良く取り入れられるのかわかっていません。
このように直接摂取がしにくいからこそ、体内での生成をサポートすることが大切です。生成をサポートするコラーゲンやビタミンC、鉄分を含む食品やサプリメントを積極的に摂るようにしましょう。また、エラスチン減少の要因となる紫外線から肌を守ることも大事です。外出時は、日焼け止めを塗ったり、なるべく袖のある服を選んだりするなど、しっかりと紫外線対策を行うようにしましょう。
コラーゲン、セラミド、ヒアルロン酸には似ているようで異なる働きがありますので、「どれか一つを集中的に摂取すれば良い」というものではなく、併用して摂取するのがおすすめです。
また、食生活の見直しやサプリメント等で補うことで、継続的な摂取を心がけることも大切です。生活習慣と併せて改善することで、より健康的な毎日にもつながります。
自分にあった方法で生活に取り入れてみてください。
参考URL
コラーゲン e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-011.html
記事公開日:2023年2月10日
記事更新日:2023年2月10日