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eスポーツ選手が知るべき「姿勢」って? 座っているだけで体は疲労する 後編

2020/02/19

物事を突き詰める人には、職業病といわれる体の異変が起きがちです。eスポーツにおいては、長時間座り続けることによる肩こりや腰痛などが職業病のひとつとして挙げられるでしょう。
学校や職場で椅子に座り続け、自宅に帰ってからも座ってゲームをプレイし続ける人も多いのではないでしょうか。「ただ座っているだけ」と思いきや、一日の半分以上も同じ姿勢でいると、体の特定の部位に過度な負担がかかります。その負担はやがて、肩こりや腰痛といったかたちで体に表れるわけです。

今回はeスポーツ選手のリスクとして、「座っているときの姿勢」について、前編後編に分けて解説していきたいと思います。

前編はこちらから
eスポーツ選手が知るべき「姿勢」って? 座っているだけで体は疲労する 前編

3.姿勢と椅子の関係性
ゲーミングチェアは、eスポーツ選手であれば誰もが一度は気になるアイテムではないでしょうか。ただ、「欲しいけれど、普通の椅子となにが違うの?」と考えて二の足を踏む人も多いと思います。

ゲーミングチェアは簡単に言うと、筋肉に負担を掛けないで「良い姿勢」でいられるように作られています。例えばゲーミングチェアのなかには、座面(お尻から腿が接する部分)が背もたれにかけて傾いているものがあります。この構造によって、自然と足が軽く上向くような体勢となり、体にかかる負担が分散されて「良い姿勢」が保たれます。

また、腰が当たる部分にパットがある製品であれば、猫背――つまり前傾姿勢になることを防いでくれます。ほかにも、体を包み込むような設計になっていることで、体がぶれないように椅子自体が支えてくれる状態となり、肩や体幹に余計な力を入れないで済むようになります。

前述したとおり、人間は座っているだけでも筋肉を使っているわけなので、椅子の補助の分だけ筋肉の疲労を抑えられるというわけです。一日を通して安定したプレイをしたいときにとるべき姿勢も、ゲーミングチェアを利用するとよいでしょう。ゲーミングチェアに体を預けて、緊張でこわばる体をできるだけ脱力させるよう心がけましょう。

ただ、これらの効果は店舗などで試し座りをしても、瞬間的に劇的な差を感じられるものではありません。連続して座り続けることで、体にかかる負担の差を実感できるものです。逆に言えば、長時間座りっぱなしで練習をするeスポーツ選手にこそ必要なものであるともいえます。

実際に最近では社員の作業効率や健康面を考えて、ゲーミングチェアを導入する一般企業も増えているといいます。

4.体のケアの必要性
eスポーツ選手はとくに日頃から運動と縁遠い生活を送っていると思いますが、eスポーツ界で活躍したいとなればそうも言ってられません。

姿勢を支えるのは筋肉であり、筋肉に疲労が溜まった状態で座り続けていると腰痛のリスクとなります。疲労した状態を放置していれば、練習の質も落ちていきますし、パフォーマンスは低下してしまいます。これを改善するには、疲労を取り除くための体のケアが必要になります。

また、姿勢を改善したり、疲労しづらい筋肉を作ったりすることも、練習の質やパフォーマンスの向上につながるでしょう。

競技による体へのダメージはプロアスリート特有のものと思うかもしれませんが、職業病という言葉があるように、人間の体は何かを突き詰めていくと「ひずみ」が生まれます。その「ひずみ」が起きないように、あるいはうまく付き合っていくためには、体と向き合っていく必要があるのです。

著者・砂拭