「inゼリー GAME BOOSTER」の主成分「ビタミンA」を解説 後編
2020/03/18
コラム日本時間で2019年11月2日(土)から3日(日)にアメリカで開催された、人気FPSゲーム「オーバーウォッチ」の世界大会「オーバーウォッチワールドカップ」。
本大会に日本代表として出場した、プロゲーミングチーム「JUPITER」所属のta1yo選手に、世界大会の感想や日本代表として活動したことへの想いに対する部分までお話を伺いました。
――はじめに、世界大会「オーバーウォッチワールドカップ」お疲れ様でした。率直な感想として参加してみていかがでしたか。
ta1yo選手:ヨーロッパ圏とアジア圏での戦い方の違いを実感しましたね。(相手チームが)いつも練習してた戦い方をしてこなくて、試合中に混乱してしまいました。実力的には僕たちの方が強かったと思うんですけど、うまく噛み合わなくて正解が分からないまま、負けてしまった感じですね。
――予選トーナメントではイタリアと当たり悔しくも敗北となりましたが、やはり戦い方の違いに対応できなかったのが敗因といえるのでしょうか。
ta1yo選手:イタリアが出してきたメイ※とリーパー※の構成がほぼ見たことがなかったんです。僕らの練習相手は基本韓国チームなんですけど、そちらではソンブラ※を使っていたため、見たことのない構成に動揺して最初からマップを取られてしまいました。後々自分たちのペースで試合を進めることはできたんですけど、最終的に押し切ることができず負けてしまいました。
※オーバーウォッチに登場するキャラクター
――各国の海外チームが集まる大きな大会で、日本代表として出場しましたが、普段と心境の違いなどはありましたか。
ta1yo選手:心境としては、いつも勝ちに行くというのが自分の中に普段からあるので、そこに対して変わりはなかったんですけど、日本代表としてクラウドファンディングで支援してもらったこともあってプレッシャーはいつもより感じましたね。ただ、自分なりに全力は出せたと思います。
――先ほど話が出たクラウドファンディングですが、やはりファンからの支援は力になりましたか。
ta1yo選手:そうですね。クラウドファウンディングには本当に感謝しています。1年前、2年前のワールドカップも勝ちたいという気持ちはあったのですが、どこか楽しみたいっていう気持ちもありました。今年は勝つこと、ファンのみんなに良いところを見せたい気持ちが強く、いつも以上に気合を入れて臨みました。
――残念ながら予選トーナメント敗退という結果になってしまいましたが、試合を振り返って自身およびチームでどのあたりが足りなかったのか、どう分析しますか。
ta1yo選手:僕らのチームは反復練習をして、自分たちのプレイを磨いてきたんですが、新しいものに対して、自分たちがいかに弱いかってことを今回で気づかされましたね。見たことないものに対して練習はしづらいんですけど、いつも通りプレイすることをいったん置いて、新しいものに対してどうするかってことを考えなければならなかったなと思いましたね。
――その一方で、日本代表および自身が海外チームにも負けなかったという部分はありますか。
ta1yo選手:僕たちのチームはDPS※が中心的に動くようなプレイスタイルで、僕とten選手が交互に敵にプレッシャーをかけて、ダメージを出してキルを重ねていくといった戦い方だったんですけれども、それが出来たところでは、とてもうまくいきました。ワールドカップに出場している他の選手からも、僕とten選手のコンビが良かったと伝えてもらったりもしましたね。
※敵にダメージを与えるアタッカーを担当するプレイヤー
日本代表メンバー(左からadd0neさん、Haku選手、SamuraiD選手、Youkコーチ、kenmohororo選手、福田GM、hoshimi選手、ta1yo選手、Xeraphy選手、ten選手)
ただそれはチームメンバーが上手くポジションをとって、僕とten選手が活躍できるように切り開いてくれたからできたことであって、そこは自分たちのプレイスタイルが輝いたところで、海外にも負けなかった部分だと思います。
――日本代表として大会中はもちろん、大会前から代表メンバーと過ごしてきたと思うのですが、チーム内の雰囲気はいかがでしたか。
ta1yo選手:長い間過ごす中で、徐々にではあるんですが仲良くなっていきました。一緒にご飯を食べたり、作戦会議をしたり、他愛もない会話をしたりして仲は凄く良かったと思います。
――チームメンバーとはどのような話をしましたか?
ta1yo選手:ありとあらゆる話を学生みたいなノリでしていましたね(笑)。ゲームの話以外にも私生活に関する話もして、本当にいろんな話をしました。そうしたこともあって、ゲーム内でも声を出してコミュニケーションを取れたと思います。
――オーバーウォッチワールドカップで印象に残ったシーンはありますか。
ta1yo選手:先ほど話したイタリアのメイとリーパーの構成に対して、とりあえず深く考えず、とにかく相手にプレッシャーをかけ続けるといった戦法に変えたことで日本が波に乗り出して、そこで2本勝利を挙げることができたことは、印象に残っていますね。またパリっていうマップで、敵があと少し攻めれば勝ちってところで守り方を変えて、そこから奇跡的に守り切ることができたのは素直に嬉しかったですし、印象に残っていますね。
――海外の大会でしたが緊張はしませんでしたか。
ta1yo選手:僕自身、公式大会に出場するのが久しぶりで、5月のコンテンダーズ※以来だったので多少は緊張しましたが、昔から大会に出ていた経験からすぐ緊張は収まりましたね。
※オーバーウォッチのトーナメント大会
――長時間の遠征で体力面はもちろん、大舞台でプレイすることで精神面の負担などがあったと思いますが、その辺りはどのように解消しましたか。
ta1yo選手:僕だけなのかもしれないんですけど、時差ボケがあったことで早寝早起きを促進してくれたといいますか、普段以上に生活リズムが整ってかなり調子がよかったんですよね。食生活に関してもアメリカのものを食べたいって意欲が強く、体にいいとは言えないかもしれないんですけど、美味しいものを食べることができたので僕としては万全な状態で大会に臨めたのかなと思います。
――今後、日本が更に強くなっていくためには何が必要だと考えますか。
ta1yo選手:僕は練習の仕方に改善の余地があるかなと思っています。まず、日本のコーチングスタッフが1名なんですけど、正直1名だとどうしても視野が狭くなってしまったり、意見が偏ってしまうこともあるので、様々な意見を言える立場の人が複数名必要だなと感じました。海外のトップチームだとコーチが5、6人いることもあり、そこで情報量の差が出てきてしまうと思っています。
あとはプレイヤー自身がもっと意欲的に反省会に取り組む必要があると考えています。反省会といっても基本的に受動的なものが多くて、試合の録画をメンバーやコーチで流しながら見て、ダラダラと「ここがダメだったね」と話をする形のものが多かったりします。
そういったことも大事だとは思うんですけど、それだけでなくプラスアルファが必要だと思っています。海外のチームを見学してみると全員が宿題のような形で、悪かったプレイなどをまとめてコーチやスタッフと改善策を話し合う会があって、そういった能動的な反省会が、オーバーウォッチに限らず日本のesports界に必要なものではないかなと思っています。
日本だと形だけでやることが多く、練習で疲れてると尚更適当にしてしまいがちなんですが、そこをしっかりとすることが必要だと思います。もはや練習以上に質の高い反省会が必要だと思っています。個人技としては日本は世界と同等のレベルであると思っているので、作戦や戦い方、練習法などの部分を改善できれば更に強くなっていくと思います。
――今後の目標を教えてください。
ta1yo選手:まだ自分自身力不足だと思うので、海外のチームにも勝てるようになりたいです。これから、コンテンダーズでも優勝できるくらいの実力をつけて、その先の大会「オーバーウォッチリーグ」でも優勝できるようにしたいですね。