サステナブルなお仕事No.34

PACOONパクーン開発者

濱崎はまざき 佳寿子かずこさん


PACOONパクーン開発者

濱崎はまざき 佳寿子かずこさん

野菜を使った食べられるスプーン!?
おいしくプラスチックごみを削減さくげん
使った後はパクパク食べられて、ほんのりあまくておいしい~! そんなびっくりするようなスプーンを作った濱崎さん。野菜を楽しく食べて、食の大切さを考えてほしい、プラスチックごみをへらしたいなど、たくさんの想いがぎゅっとつまったスプーンなんだよ。
Q1.
どんなお仕事クエッ?
会社で働く人たちがごはんを食べる社員食堂を運営していますが、SDGsにもつながる新しい事業として、野菜を使った食べられるスプーン「PACOON」を販売 はんばいしています。

PACOONのスプーンは、かぼちゃ、ビーツ、いぐさ、抹茶まっちゃ、おからのカラフルな5種類に加え、北海道のトウモロコシなどご当地シリーズも展開てんかい。パウダーにした野菜と小麦やタマゴなどのシンプルな材料で焼き上げており、国産の食材を使うことで産地の活性化にも貢献こうけんできればと考えています。

また、お弁当やパーティーなどではプラスチックのスプーンを使うことも多いと思いますが、PACOONはその代わりになるので、プラスチックごみをへらすことにもつながります。 楽しく、おいしく、野菜の栄養も摂れるこのスプーンをとおして、食べ物や環境かんきょうについて会話したり、考えたりするきっかけにしてほしいと思っています。
濱崎さんの会社「勤労食(きんろうしょく)」が販売する「PACOON」。食感はクッキーのようで、ほどよいかみごたえがあり、現代に不足しがちな「かむ」ことにも役立つ。ホームページやお店で販売する他、カフェやアイスクリーム屋さんなど飲食店でも使われ、海外輸出もスタートした。
濱崎さんの会社「勤労食きんろうしょく」が販売する「PACOON」。食感はクッキーのようで、ほどよいかみごたえがあり、現代に不足しがちな「かむ」ことにも役立つ。ホームページやお店で販売する他、カフェやアイスクリーム屋さんなど飲食店でも使われ、海外輸出もスタートした。
楽しみながら使ってほしいから、おいしさや可愛いさも大切にしている。
楽しみながら使ってほしいから、おいしさや可愛いさも大切にしている。
食育のイベントへの参加や小学校での出張授業など、子どもたちにPACOONを知ってもらい、食べ物や環境について考えることにつなげる活動にも取り組む。
食育のイベントへの参加や小学校での出張授業など、子どもたちにPACOONを知ってもらい、食べ物や環境について考えることにつなげる活動にも取り組む。
Q2.
なぜ、そのお仕事を選んだクエッ?
PACOONを販売している会社である「勤労食」は、祖父が創業そうぎょうしました。わたしは、祖父に愛情をかけて育ててもらった恩返しをしたい気持ちもあり入社しました。

入社してから気づいたのが、食育の大切さでした。例えば運営する社員食堂で、社員の人たちの健康を考えて野菜たっぷりのメニューを作っても、野菜を食べる習慣が子どものころから身についていないと、なかなか食べてもらえません。そこで親子の料理教室を始めました。

さらに、もっとたくさんの人に働きかけられる方法はないかと思い、PACOONを開発しました。開発のヒントになったのは、妹のひと言。妹は、外で赤ちゃんにごはんを食べさせる時に、衛生面を考えてプラスチックのスプーンを使いすてていたのですが、もったいないと思っていたようで、「スプーンも食べられたらいいのに」と言ったのです。

食べられるスプーンという発想は面白いから、きっと子どもたちにもよろこんでもらえるし、食を通して健康だけでなく環境のことも考えるきっかけにしたいと思い、開発することにしました。
Q3.
仕事で苦労したこと、感動したことは何クエッ?
社員食堂の運営とはちがい、PACOONははば広い人に向けて物を販売する仕事なので、やり方がわからず苦労しました。今も手さぐりが続いています。

うれしいのは、記事などで紹介しょうかいしてもらえたり、記事を見て使ってみたいと言ってもらえたりした時。共感が広がり、使ってもらえることが増えると、もっとがんばろうと思えます。

あと、小学校で出張授業をすることがあるのですが、その時に子どもたちから質問や意見をたくさんもらえると、とてもうれしいですね。ある学校では、「PACOONは非常食として活用できるのでは」と提案してくれる子がいて、感動しました。
Q4.
どんな子どもだったクエッ?
クリスマスや家族の誕生たんじょう日をはじめ、しょっちゅうパーティーをしている家だったので、小さいころからかざりつけをよく手伝っていました。

子どもの時からおこったことがなく、友達とも、妹ともケンカをしたことがありません。だれかが仲間外れになるのがイヤで、みんなが仲良くできるようにしようとしていました。その性格はチームで働く今の仕事にも役立っています。

学級委員をやったこともありますが、勉強はそんなに得意ではなく、料理やおさいほうの方が好きでした。

おやつはあまり食べなかったのですが、チョコボールだけは別。今も時々買っています。
Q5.
未来の大人たちへ
わたしたちは一人で生きているのではなく、人と人が支え合って生活しています。目の前の食べ物もどこかでだれかが作ってくれたものです。食べる時にどうか感謝の心を持ってください。

日々感謝を感じることから、思いやりや大事なことを感じ取る力が身についていき、みんながそうなればサステナブルな社会になると思います。
プロフィール
愛知県安城あんじょう市生まれ。短大卒業後、社員食堂を運営する「勤労食」に入社。食堂のメニューを考える栄養士としてつとめ、管理栄養士の資格を取得。出産を機に退社たいしゃしたが2010年に復帰し、2019年に「PACOON」を開発した。2022年より副社長。3人の子のお母さん。
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