えっ？！朝の一杯は●●の中で？！

16世紀にヨーロッパに渡り、瞬く間に宮廷や貴族を中心に流行したココアですが、当時の王侯貴族の間ではいろいろな飲み方を楽しんだようです。
現在でも残っている絵画を見るとその様子がよく分かります。舟型の風呂の中でボーイにひげを剃らせながら、チョコレートを飲んでいる男の絵などは、その典型です。その絵の注には「フランスのプレーボーイたちにとって、湯舟に浮かぶチョコレートは健康な朝の儀式である」とあります。
朝風呂とチョコレートとは妙な取り合わせですが、上流階級にとっては上品で優雅な習慣でした。同じ頃の絵で、湯上りのからだにガウンをまとった美女、召使がチョコレートとラブレターを運んでくるものがあります。これもまた、いかにも18世紀を感じさせます。
この絵には「ドイツの美女にとって、朝風呂は必ずラブレターと一杯のチョコレートで終わる、と決まっていた」と説明があります。
当時の王侯貴族たちのなんとも甘く優雅な生活が忍ばれます。上流階級を気取って「朝風呂に入りながらココアをのむ」のも一興かも。