チョコレートはなにを防止する飲み物とされていた?

答:肥満

フランスの食通にして大天才といわれた人物ブリア・サヴァラン。
彼は18世紀後半から19世紀初頭まで生きヨーロッパの全ての言語をしゃべり、科学者、考古学者、文学者であったそうです。その彼に「美味礼讃」とうい著書があります。彼はこの本の中で当時の上流階級で人気のあったチョコレートに一章を費やしています。当時のチョコレートはまだ飲み物でした。そしてその栄養的価値について多くの知識人や学者が注目し始めた時でもあります。

サヴァランはチョコレートに関する効用について、「チョコレートを常用する人たちは、いつも変わらぬ健康を楽しみ、人生の幸福を妨げるちょっとした病気にかからない人たちであり、彼らの肥満も大して進行しない。チョコレートのこの二つの特長は、社交界を見れば誰にでも証明できることで、チョコレートの常用者かどうかを聞いてみれば判明する」と断定しています。彼にとってチョコレートは肥満防止の飲み物であり、体力増強の飲み物であったようです。
サヴァランはとっておきの飲み物として竜涎香(マッコウクジラからとれる香料)入りのチョコレートを薦めています。「酒を飲みすぎた人、仕事のし過ぎで寝不足の人、竜涎香入りのチョコレートを半リットル飲めば効果てきめん」
19世紀のフランスの食通も認めるとっておきの飲み物だったチョコレート。肥満、飲み過ぎ、寝不足など、いまも昔の人と「健康」への悩みは変わらず、チョコレートの「健康効果」への評価も、いまも昔も変わりませんね。