ここまでわかった!
冷えとココアのキープ温とは?
手足の冷えと血流について
一般的に、冷えは血流の流れが悪くなるために起こります。
ヒトの体は自律神経の働きによって、暑い時には血管を拡張して熱を放出し、寒い時には血管を収縮させて熱を逃がさないようにしながら、体温を一定に保つ仕組みがあります。
特に寒い時には内臓が冷えないように手足の血管を収縮させて、体の中心部に優先的に血液が流れるように働きます。そのため、食事の量が少なかったり運動不足、ストレスなどで体内で熱を十分に作り出すことができなくなると、末端まで血液がめぐりにくくなり、手足が冷えてしまいます。
このように手足の冷えには、血流をよくして血液が体内をめぐり、指先までとどくことが必要なのです。
ココアと指先の冷えについて
これまでココアを飲むと「からだが温まる」、「手足の冷えがやわらぐ」などと言われてきましたが、さらなる科学的な検証の新たな試みとして、ココアを飲むことが指先の血流量や皮膚温度にどのような影響を与えるのかを調べてみました。
(1杯当たりカカオフラバノール30㎎含有)
●対照食品/ココア風味粉末20gをお湯120mLに溶かしたもの
(1杯当たりカカオフラバノール0㎎)
・環境を一定に調節した恒温恒湿内(室温23℃±1℃、湿度 40%±5%)にて、
同エネルギーと同温度の試験食品または対照食品を5分間で飲用
・親指を除く左手の指先の血流量と温度をそれぞれ10分間隔で測定
・体感は20分間隔で評価
《試験結果》
指先の皮膚血流の変化
(平均値±標準誤差 P値は0.05未満で両群間に統計学的有意差あり)
対照食品に比べて、健常な成人男女において、カカオフラバノール30㎎を含むココアの飲用により皮膚血流量が40~60分の間に有意に高く推移しました。
平均的な皮膚温度変化を示した測定画像例
上の画像は試験参加者の測定画像例ですが、皮膚温度は測定後半にかけてココア飲用時には赤みが維持されており、皮膚温度数値もココア飲用に有意に高く推移することが確認されました。
さらに、VAS アンケート法による冷えに関する感覚評価は、ココア飲用60分後に「指先の冷え」の質問項目において有意な改善が認められました。
出典:薬理と治療 vol.49 no.10 2021
このように、カカオフラバノール30㎎を含むココアの飲用は、指先の血流量と皮膚温度を高め、冷えの感覚を和らげると考えられます。
“めぐる“冷え対策
冷えを感じるのは女性に多く、現代の女性の悩みの一つであると言われていますが、最近は働き盛りの男性の中でも冷えに悩んでいる人もいるようです。
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