森永製菓株式会社(東京都港区芝、代表取締役社長・太田 栄二郎)は、帝塚山学院大学(大阪府堺市、学長・津田謹輔)人間科学部心理学科の学生とともに、「スイーツ心理学®」の手法を用いて「ダース」ならではの魅力を解明する研究を実施しました。ミルクにこだわった粒チョコレート「ダース」は、発売以来、10代を中心に幅広い世代にご愛顧いただいております。本研究の結果、「ダースは、甘さやミルク感が濃厚で、柔らかく食感が良く、満足感が強くて幸福感が得られるチョコレートである」という事が明らかになりました。
■研究背景と目的
「ダース」は発売から30年、10代の若年層を中心に人気の商品です。コクのあるミルク感にこだわった一口サイズのチョコレートという品質の魅力に加え、「ダース」という存在自体がお客様にもたらす情緒的価値を解明することにより、今後の商品開発やお客様とのコミュニケーションに生かせるのではないかという仮説のもと、心理学の手法を用いて研究する事になりました。本研究では、メインユーザーの世代でもある帝塚山学院大学人間科学部心理学科のみなさんと一緒に取り組み、お客様の気持ちをより深く理解することを目指しました。
<帝塚山学院大学「スイーツ心理学®」とは>
帝塚山学院大学では、2018年から社会連携の中で、楽しく学ぶことができる独自の学問としてスイーツ心理学®の確立を目指しています。スイーツ心理学®は、スイーツを対象とし、心理学の知識および手法を活用することで、ポジティブな感情(幸福感などの快感情)を喚起する仕掛けを考案する学問です。
■研究手法
本研究では、「ダース」の価値を明確化するために、人間中心設計(Human-centered Design)やユーザーエクスペリエンスデザイン(User Experience Design)で用いられている評価グリッド法やシナリオ手法等を組み合わせて用いました。評価グリッド法では、「ダース」を含む様々な森永製菓のチョコレート菓子を比較分析することで、森永製菓のチョコレート菓子の価値に関するキーワードを構造的に整理しました。次に、これらのキーワードを用いて森永製菓のチョコレート菓子の価値に関する文章を作成し、具体的なキーワードから上位の抽象的なキーワードへ繋げる価値シナリオ(森永製菓のチョコレート菓子の魅力を表す文章)として具体化しました。さらに40名弱の学生がこれらの価値シナリオに対して、「ダース」の価値として共感できるかどうかを5段階で評定して、平均4.0以上の値が得られたものを「ダース」の価値シナリオとしました。その後、「ダース<ミルク>」と競合商品との比較分析を通じてさらにブラッシュアップ。これらのプロセスから得られた「ダース<ミルク>」の価値シナリオをKH Coderによりテキストマイニングすることで、「ダース<ミルク>」の価値を共起ネットワークとして表現しています。このように「ダース」の価値に関して段階的に理解を深めた上で、様々な価値シナリオを作成することで質の高いテキストデータを集めることができ、これらのテキストデータをテキストマイニングにより集約することで、「ダース」の魅力を解明しました。
■研究結果
本研究の結果、「ダースは、甘さやミルク感が濃厚で、柔らかく食感が良く、満足感が強くて幸福感が得られるチョコレートである」ことが明らかになりました。
<森永製菓グループの新たな取り組み>
当社グループでは、長期経営計画において『2030年にウェルネスカンパニーへ生まれ変わります。』と定めました。「ウェルネス」とは、「いきいきとした心・体・環境を基盤にして、豊かで輝く人生を追求・実現している状態」と定義し、顧客・従業員・社会に、心の健康、体の健康、環境の健康の3つの価値を提供し続ける企業になることを目指しています。その一環として、「心の健康」に寄与する菓子食品のおいしさや楽しさといった情緒的価値を様々な手法で解明し、付加価値の高い商品の開発・提供につなげていく取組みを行っています。本研究も、発売から30年をむかえる「ダース」が、どのような情緒的価値をお客様にもたらすかを明らかにする目的で行われました。これからも、「ダース」を通じて世界の人々に笑顔をもたらすことができるよう取り組んで参ります。