コーポレート・ガバナンス
コーポレート・ガバナンスの基本方針
森永製菓グループは、企業価値の最大化ならびに企業の永続的発展を図ることを目的に、経営の健全性及び効率性の向上、財務内容の信頼性の確保、適時適切な情報開示、法令の遵守ならびに各ステークホルダーとの信頼関係の強化を基本方針とし、コーポレート・ガバナンスを強化していきます。
- (1) ステークホルダーの位置付け
- 森永製菓グループは、企業理念・行動憲章にのっとり、企業活動の全ての領域にわたり社会的責任を果たすべく、当社を支えていただいているステークホルダーとの良好な関係を維持・発展させ、社会との共生と持続的成長を実現することに努めています。
- (2) 経営監視機能
- 取締役会の経営監視機能の強化、社外取締役及び社外監査役の設置、常勤監査役の重要会議への出席、監査部の社長直轄化等により、実効性のある内部統制システムの構築に努めています。
- (3) 企業グループ全体における考え方
- 森永製菓は、子会社の独立性を尊重するとともに、密接に連携しています。
コーポレート・ガバナンス体制
- 業務執行について
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森永製菓では、「決定基準規程」により、取締役会、業務執行会議、各取締役、各執行役員、各部長等の決定単位ごとに責任と権限を明確にしています。
(2024年6月27日現在)
- <取締役会>
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取締役会は、経営判断の原則に基づき法定事項及び重要な業務執行について、慎重な意思決定を行うとともに業務執行状況の監督を行っています。取締役9名のうち、3名が社外取締役、また男性7名、女性2名にて構成しています。
- <業務執行会議>
- 業務執行会議は、取締役、上席執行役員、常勤監査役を中心とするメンバーで、重要な経営テーマ等、取締役会から権限委譲を受けた事項について、審議・意思決定を行っています。取締役会及び業務執行会議の審議の実効化と効率性を確保するため、諮問機関である各種委員会において、事前に十分な協議を行っています。例えば、情報開示に関してはIR委員会、取締役の人事及び報酬に関しては役員人事報酬諮問委員会を設置しています。
- <執行役員制度>
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当社は事業環境の変化への機動性を高め、意思決定のスピードアップを図るべく、執行役員制度を導入しています。これにより、戦略執行に係る通常業務の執行権限と責任を執行役員に付与し、経営の効率化と業務執行責任の明確化を図っています。
- <監査体制>
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監査役は4名で、このうち社外監査役が3名です。なお、社外監査役のうち1名は常勤監査役、また男性3名、女性1名にて構成しています。監査役は、「監査役監査基準」に基づき、取締役の職務執行を監査しています。また、常勤監査役は、定期的に代表取締役と面談するとともに取締役会の他、業務執行会議等の重要会議に出席し、取締役の職務執行の監査を行っています。内部監査を行う監査部は、社長直轄としており、6名体制にて、子会社を含めた全ての部門を計画的に監査し、常勤監査役とともに当該部門と意見交換を行っています。会計監査人とは全ての監査役が、また、監査部長とは常勤監査役が定期的及び必要に応じて意見交換を行うことにより、連携を図っています。監査部長及び常勤監査役は、主要部署から選出されたメンバーで構成される内部統制運営会議に出席し、当該メンバーとの定期的な意見交換を行っています。さらに、監査部は、代表取締役社長のみならず、取締役会及び監査役会に対しても必要に応じて適宜直接の報告を行うことにより、内部監査の実効性の向上を図っています。なお、会計監査人につきましては、有限責任監査法人トーマツを選任しています。
- <取締役・監査役の専門性と経験(スキル・マトリックス)>
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当社グループのパーパス・ビジョン並びに2030経営計画・中期経営計画の実現を図るため、当社取締役及び監査役に特に期待される専門的な知識・経験を以下のとおり特定しております。取締役候補者及び監査役候補者の選出にあたっては、これらのスキルを有する人材のバランスと多様性の確保に配慮しております。
※各分野における事業責任者の経歴がある場合等専門的な知識・経験を有している場合に、該当項目に○をしています。
スキル項目 選定理由 企業経営・経営戦略 経営環境の変化への対応を図りつつ、当社グループの持続的な成長を実現するうえで適切な経営戦略を構築し、責任ある経営判断を行うため ESG・サステナビリティ 事業に関わる社会課題の解決に向けてステークホルダーと共創し、当社グループの企業価値の向上と持続可能な社会の実現を図るため 財務・会計・DX 資本コストの適正化を意識した経営の実践により資金創出力を高め、安定的かつ継続的な株主還元を実現するとともに、デジタル技術等への投資による経営基盤の強化及び持続的な企業価値向上を図るため 人事・労務 会社と従業員の相互の信頼関係の下、多様な人材の活躍を推進し、従業員の幸せを実現するとともに、新たな価値を創出し、当社グループの持続的な成長を実現するため 法務・コンプライアンス・リスク管理 適切なリスクマネジメント体制を確立するとともに、コンプライアンス経営を推進し、当社グループの経営基盤を構築・維持するため マーケティング・営業 事業を取り巻く環境の変化や生活者のニーズを的確に捉え、これらに対応した経営戦略を構築し、ブランド価値及び企業価値の向上を図るため グローバル 世界の人々の豊かですこやかな食生活の実現に向けて、現地の文化等を理解・尊重しながら海外進出の基盤を強化し、さらなるグローバル展開を推進するため 研究・生産・物流 技術を基軸に新たな価値を生み出すとともに、外部環境の変化に対応し収益力を高めるための構造改革を進め、事業基盤を強化し、競争優位の体制を確立するため - <役員選任方針>
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当社の役員の選任方針の概要は以下のとおりです。
- 当社の取締役及び監査役は、森永製菓グループのパーパス・ビジョンを実現するために、必要な各分野における専門性と経験を有する人材を、国籍やジェンダー、年齢などの多様性を考慮して選任する。
- 業務執行取締役は、「森永製菓グループ経営人材要件」(基本的資質、人望、リーダーシップ、チャレンジ精神、先見性と構想力、実行力、新技術・新分野の活用を有する者)を満たし、当社グループの持続的な成長に貢献できる人材を選任する。
- 社外取締役は、別途定める当社の独立性判断基準を満たし、当社グループの経営課題等に関して独立かつ客観的な立場からの適切な意見陳述と問題提起を期待することができる者を選任する。
- 監査役は業務執行の適法性や妥当性について、その知見と経験を活かし客観的かつ中立的な観点から的確な監査を期待することができる者を選任する。なお、監査役のうち1名以上は財務・会計に関する十分な知見を有する者を選定するとともに、社外監査役は当社の独立性判断基準を満たす人材を選任する。
- <森永製菓株式会社 役員独立性判断基準>
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当社は社外取締役、社外監査役、並びにそれらの候補者が次のいずれの項目にも該当しない場合に独立性を満たしているものと判断する。
- 当社グループを主要な取引先とする者またはその業務執行者。
具体的には、直近事業年度において、その者またはその者が所属する法人の当社グループに対する売上高がその年間連結売上高の2%以上であること。 - 当社グループの主要な取引先またはその業務執行者。
具体的には、直近事業年度において、その者またはその者が所属する法人に対する当社グループの売上高が当社の年間連結売上高の2%以上であること。 - 当社から役員報酬以外に多額の金銭その他の財産を得ているコンサルタント、会計専門家、または法律専門家、また、当該財産を得ている法人、団体等の所属員。
なお、多額の財産とは、直近事業年度において当該法人等の年間連結売上高の2%または1,000万円のいずれか高い方の額以上の金額をいう。 - 過去1年間において上記1~3に掲げる者に該当していた者。
- 就任時及び就任前10年間において当社または当社子会社の業務執行者であった者。
- 上記1~5に掲げる者の2親等以内の親族。
- 東京証券取引所が定める独立性判断基準に抵触する者、その他、当社株主との間で利益相反が生じるおそれのある者。
- 通算の在任期間が8年を超える者。
- 当社グループを主要な取引先とする者またはその業務執行者。
取締役会の主な審議テーマ
テーマ | |
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経営戦略・サステナビリティ関連 |
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ガバナンス関連 |
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コンプライアンス・リスクマネジメント関連 |
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財務・投融資関連 |
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役員報酬の基本方針及びその構成
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基本方針
当社の役員報酬制度に関する基本的な方針は、以下のとおりであります。
森永製菓グループのパーパス・ビジョンの実現に資するものであること。
将来にわたる企業価値向上のために中長期的に定める経営計画の実現を促すものであること。
取締役の適切なリスクテイクを支えつつ、その貢献意欲を高める制度並びに水準であること。
ステークホルダーに対して透明性、公正性及び合理性を備えた制度であり、これを担保する適切なプロセスを経て決定されること。
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役員報酬制度の内容
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報酬等の構成及び内容
業務執行取締役
固定報酬及び業績連動報酬により構成されております。なお、業績指標を100%達成した場合における報酬総額に占める業績連動報酬の割合は30%であります。固定報酬:月次で一定額を金銭で支給いたします。
業績連動報酬:業績指標を100%達成した場合において、報酬総額に占める業績連動報酬の割合30%のうち3分の2に相当する部分については、月次で一定額を金銭で支給し、3分の1に相当する部分については、業務執行取締役の退任時に株式報酬として支給いたします(国内非居住者を除く)。
社外取締役及び監査役
その役割に鑑み固定報酬のみとし、月次で一定額を金銭で支給いたします。
役員区分ごとの報酬の種類別の割合に関する基本的な考え方は以下のとおりであります(業績指標を100%達成した場合)。
役員区分 固定報酬 業績連動報酬 金銭報酬 株式報酬
(非金銭報酬)業務執行取締役 70% 20% 10% 業務執行取締役
(国内非居住者)70% 30% ― 社外取締役 100% ― ― 監査役 100% ― ― -
報酬の決定方針
職責に応じ役位ごとに基準額を定めるものとします。基準額は市場競争力を担保するとともに各取締役の貢献意欲を高める水準とします。
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業績連動報酬等に関する事項
業績連動報酬の業績指標の内容は次の通りであります。
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代表取締役
業績連動報酬のうち、金銭報酬の部分についてはグループの連結営業利益、株式報酬(非金銭報酬)の部分については中長期のESG数値目標(グループの従業員意識調査にかかる肯定回答率及び外部評価機関のESGスコア結果)とします。
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代表取締役以外の業務執行取締役
業績連動報酬のうち、金銭報酬の部分については事業年度ごとのグループの連結営業利益(10%)及び個人の業績評価をそれぞれ2分の1ずつとし、株式報酬(非金銭報酬)の部分については中長期のESG数値目標(グループの従業員意識調査にかかる肯定回答率及び外部評価機関のESGスコア結果)とします。
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非金銭報酬等の内容
中長期的な業績向上と企業価値増大への貢献意識を高めるとともに、株主との利益意識の共有を目的として、業務執行取締役に対し、中長期のESG数値目標を業績指標とする業績連動報酬部分を、非金銭報酬等として株式報酬を支給しております。
業務執行取締役は、第170期定時株主総会において承認された業績連動型株式報酬制度に基づき、毎年、業績指標を100%達成した場合において、報酬総額に占める業績連動報酬の割合30%のうち3分の1に相当する部分を株式報酬としてポイント付与を行うものとし、退任時に、累積したポイント数に応じて、役員報酬BIP信託を通じて当社株式等の交付を受けることといたします。
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取締役及び監査役の報酬等についての株主総会の決議に関する事項
取締役の報酬限度額については、2023年6月29日開催の第175期定時株主総会において、年額5億円以内(うち、社外取締役分は年額4千万円以内)を年額5億円以内(うち、社外取締役分は年額8千万円以内)と改定する旨の決議をしております。(当該株主総会終結時点の取締役の員数は11名。うち社外取締役は4名。)。なお、取締役の報酬には使用人分給与は含みません。
また、当該金銭報酬とは別枠で、2018年6月28日開催の第170期定時株主総会において、取締役(社外取締役及び国内非居住者を除く。)に対する信託を用いた業績連動型株式報酬制度を導入しており、当社が信託に拠出する金員の上限は3事業年度からなる対象期間ごとに合計180百万円、株式報酬として付与されるポイントの総数の上限は1事業年度あたり15,000ポイントと決議しております。なお、2024年1月1日を効力発生日とした当社普通株式の株式分割を踏まえ、1ポイント当たりの交付及び給付が行われる当社株式の数を調整しております。当該株主総会終結時点の取締役(社外取締役及び国内非居住者を除く。)の員数は8名であります。
監査役の報酬限度額は、2017年6月29日開催の第169期定時株主総会において、年額80百万円以内と決議しております。当該株主総会終結時点の監査役の員数は4名であります。 -
取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針
決定方針の内容の概要
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取締役の報酬の水準
役員人事報酬諮問委員会が同業、または当社グループと同規模企業の報酬水準等を参考に、当社業績に基づいて検証いたします。
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取締役の個人別の報酬額
役員人事報酬諮問委員会が、代表取締役社長の作成した業績評価を含む個人別の報酬額の原案を審議の上決定し、その決定プロセスを取締役会に報告いたします。
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取締役の個人別の報酬等の決定に係る委任に関する事項
当社は、取締役会において全社外取締役及び代表取締役で構成される役員人事報酬諮問委員会に取締役の個人別の報酬の具体的内容の決定を委任する旨の決議をしております。委任の理由は、取締役の個人別の報酬額の決定の客観性及び公平性を担保するためであります。役員人事報酬諮問委員会は、代表取締役社長が作成した業績評価を含む個人別の報酬額の原案を審議の上決定し、その決定プロセスを取締役会に報告いたします。
また、非金銭報酬等としての株式報酬については、金銭報酬とは別枠で株主総会において決議された限度額を上限として、役員人事報酬諮問委員会への諮問・答申を経て「株式交付規程」の規定に従い、取締役(社外取締役及び国内非居住者を除く。)に一定のポイントを付与することとしております。
取締役会の実効性評価
- (1)分析・評価の方法
- 当社は、取締役会全体としての実効性について、本年も2月に、社外取締役を含む全取締役及び全監査役に対して、取締役会の構成・運営・議題、経営陣の指名・報酬、リスク管理、株主等との対話、取締役会を支える体制、及び過去の取締役会評価における指摘事項に関するアンケートを実施し、その結果に基づき、取締役会にて意見交換を行い、各自評価を実施しました。
なお、専門家による客観的な意見を聴取するため、第三者機関(法律事務所)により、上記アンケート結果の分析・評価を受け、かかる分析・評価を参考として、取締役会において議論を行い、取締役会の実効性の評価を決定いたしました。 - (2)評価結果
- 第三者機関(法律事務所)による分析・評価の結果、2023年度の当社取締役会は、「有効に機能している」との評価が得られました。これらにより、当社取締役会は当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方等に沿った実効性を有し、有効に機能していると認識いたしました。
- (3)改善の取り組み
- 前年度の取締役会実効性評価で確認された課題である①グループ会社を含むリスクマネジメントの議論・取組みの深化、②サステナビリティ・中期経営計画等の中長期的な経営課題に関する議論のさらなる充実につきましては、いずれの項目についても、一定の改善が図られたと認識しております。
- (4)今後の取り組み
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当社は、以下の2つについて、今後の課題として特に重点的に取り組んでいくことといたしました。
- ①議題の適切な選択や審議時間の確保などにより、幅広い経営課題を議論することで取締役会のさらなる活性化を図る。
- ②サステナビリティ・中期経営計画等の中長期的な経営課題に関する議論のさらなる充実に向けた取組みを継続する。
取締役会の実効性評価を踏まえ、上記課題の改善に向けて必要な取組みを行うなど、当社取締役会の更なる実効性向上を図り、コーポレート・ガバナンスを一層強化していく所存であります。
コーポレートガバナンス・コードへの対応の変遷
内部統制
森永製菓グループは、企業価値の最大化ならびに企業の永続的発展を図ることを目的に、内部統制システムの強化及び経営の効率化を図り、業務を適正に執行するとともに、監督及び監査の実効性の確保に努めています。職務の執行が適正に行われるために、取締役会は実効性のある内部統制システムの構築と法令及び定款等の遵守体制の確立に努めるとともに、監査役が当該システムの有効性と機能を監査する体制としています。また、国内子会社を含めた「ヘルプライン」を社内外に設置し、コンプライアンス上問題となる情報を広く収集し、適切な対応を行っています。