知的財産

知的財産戦略の考え方

森永製菓グループは、知的財産を重要な経営資源と認識しています。
そのうえで、事業戦略と連動した知的財産の創造・活用を通じて、知的財産価値を最大化し、社会に価値を生み出すとともに企業価値向上に貢献することを目指して、知的財産戦略を推進しています。
知的財産戦略の推進において、以下の基本方針を定めています。

知的財産戦略 基本方針

他者知的財産権の尊重 第三者の知的財産権を尊重し、適切なリスクマネジメント体制により、重大な事業リスクの回避を進めます。
知財・無形資産保護による
競争力低下防止
第三者による模倣や権利侵害による競争力の低下を防ぎ、差別化した商品の提供を可能とします。
新たな知財・無形資産の創造 顧客価値・競争優位・事業貢献の視点で、新たな価値創出に繋がる知財・無形資産の獲得をオープンイノベーションも活用しながら進めます。
知財・無形資産の有効活用 グループ企業や各事業が保有している知的財産や無形資産を有効的に活用し、事業貢献・継続的な競争優位の実現を目指します。

知的財産戦略体制

知的財産権を含む無形資産を経営資源として有効に活用することを目指し、2024年度には、これまで研究所内に設置していた知財戦略グループを知財戦略部として本社コーポレート組織に組み入れる組織改正を行いました。
これにより、部門横断的機能を持つ部署として各部門や経営との連携を強めていきます。

組織図

知的財産保護・創造・活用事例

2024中期経営計画の戦略に沿って、知的財産保護・創造・活用事例を紹介します

ROICマネジメント 成長性・資本収益性

探索・研究領域:パセノール™の取り組み

探索・研究領域

当社グループは2030年に「ウェルネスカンパニーへ生まれ変わる」ことを掲げています。
その実現に向けて、当社グループが独自に研究を進めてきた健康機能を持つ食品素材の「パセノール™」の取組を加速するべく、2024年に「パセノール™」プロジェクトを新設しました。
「パセノール™」に関しては、製造方法等に関して幅広く特許出願を行うとともに、商品名やロゴマークの商標権取得も行っています。
今後も「パセノール™」事業の成長に向けて、知的財産権のみならず、無形資産保護を図っていきます。

重点領域:HI-CHEWグローバル化へ向けて

重点領域

1975年に誕生したハイチュウは、海外でも親しまれており現在は世界30か国以上で販売しています。
これからもたくさんの方に愛されるグローバルブランドを目指して、2024年にカタカナの「ハイチュウ」から英語表記の「HI-CHEW」にリニューアルしました。
グローバルブランドとしての「HI-CHEW」を保護するため、世界各国で商標権の取得を進めています。
また、模倣品やブランドの不正使用に対する対策も行っています。

カタカナの「ハイチュウ」から英語表記の「HI-CHEW」にロゴを変更

サステナブル経営:サステナビリティへの取り組み

サステナブル経営

カップ型スナックの輸送時の包装容器に関して、従来品よりも紙の使用量を約60%削減し、かつ、作業性向上も実現した包装容器を、包材メーカーと共同開発し、意匠登録されました(意匠登録第1783788号)。
※特許出願中
今後も、持続可能な社会の実現に向けて取り組みを推進し、必要な権利保護を進めていきます。

従来品

開発品

「パセノール™」における知財・無形資産活用戦略

「パセノール™」は当社グループが独自素材を探索する過程で生まれました。探索した素材の中で、パッションフルーツに最も可能性を感じたことから、その研究を2006年に開始し、見出した素材です。
「パセノール™」は、パッションフルーツ種子由来のポリフェノールである「ピセアタンノール」を特許技術(特許第5347018号)で抽出したものです。
この特許技術を中心とし、原料研究、応用研究、製造・量産化、商品開発の各ステージにおいて、知財ポートフォリオの構築を進めてきました。
今後も「パセノール™」事業の拡大に向けて、知財・無形資産の戦略的な活用を進めていきます。

研究における知的財産ポートフォリオ 原料/製造/応用 アウトプットにおける知的財産ポートフォリオ 商品開発/量産化/ブランド