森永製菓株式会社(東京都港区芝浦、代表取締役社長 COO・森 信也)は、弊社鶴見サイト内(横浜市鶴見区)の見学施設「森永エンゼルミュージアム MORIUM(モリウム)」の体験価値について、心理学の手法を用いて明らかにすることを目的とした研究を株式会社イデアラボと共同で行いました。2024年12月にモリウムの来場者のお客様を対象にインタビューを実施し、集めた情報を分析した結果、モリウムの見学体験によって心の健康につながる大きく8つの価値が感じられていることが確認され、モリウムでは懐かしさから新たな気付き・知らなかったお菓子との出会いまで、多様な楽しさを提供していることが分かりました。モリウムは、幅広い世代が共に楽しみ、お菓子の思い出を介したつながりを感じられる場であると考えられます。
■研究目的と背景
「森永エンゼルミュージアム MORIUM(モリウム)」は、「~新しくて懐かしい MORINAGAに出会える~」というコンセプトに基づき、訪れるお客様に特別な体験を提供しています。アテンド付きツアーは、①モリウム施設内でのシアター映像や各種展示物の見学、②鶴見工場の製造ラインの見学で構成されており、森永製菓の歴史や商品に込める想いに触れることができます。また、ツアー終了後には、おすすめ商品の試食やミュージアムショップでのお買い物も楽しめます。※学校団体社会科見学プログラムには試食はありません。
本研究は、モリウムが来場者に提供している体験価値を深く掘り下げ、その知見を今後の企画展示やお客様とのコミュニケーションに活かすことを目的としています。そのために、研究手法に心理学的アプローチを取り入れ、来場者の感情や印象とそれらの対象をより明確にすることを目指しました。
■研究方法
本研究では、親子4組(合計8名)および50代~60代のペア3組(合計6名)を対象に、モリウムでの見学体験後に半構造化面接を実施し、参加者が見学体験を通じて感じた価値について詳細に検討しました。
■研究結果
①モリウム施設内でのシアター映像や各種展示物における体験価値
展示コーナーでは、発売当初から長く愛されているロングセラー商品が多数紹介されています。そのため、来場者は当時のパッケージとの再会を通じて思い出に浸ったり、知らなかったパッケージや商品を見つけたりすることができます。これにより、世代を問わず「懐かしさ」や「新たな気づき」を楽しむことができる貴重な体験が提供されたと考えられます。また、自分が子どもの頃に楽しんだ商品を、今も子どもたちが同じように楽しんでいるということから、お菓子を介した「世代間のつながり」を感じていることも明らかになりました。
②鶴見工場の製造ラインの見学における体験価値
工場に漂うお菓子の香りを楽しみながら、普段食べているお菓子がどのように作られているのかを知ることで、商品に対する親しみや安心感が深まるきっかけとなることが示唆されました。特に、製造工程で人と機械が協働している様子や機械の動きについては、驚き・関心・感動といった「感嘆」の声が多く寄せられ、来場者は、子供のころから慣れ親しんでいるお菓子の製造プロセスに面白さや嬉しさを含む「楽しさ」を感じていることが明らかになりました。
③試食・ショップ・記念撮影における体験価値
モリウムオリジナルグッズや、キョロちゃんや様々な展示物との記念撮影を通じて、来場者はここでしか購入・体験できない「特別感」や、見学に参加して見たかったものが見られたり体験したかったことが体験できたりしたことへの「達成感」を感じていました。
■まとめ
今回の研究結果から、モリウムが来場者の方々に楽しさだけでなく、世代を問わず新しさから懐かしさまで心の健康につながる体験価値を提供していることが明らかになりました。特に、ロングセラー製品の歴史に触れ、新たな商品を知ることは、商品の移り変わりの中で世代を超えて同じ「おいしさ」を共有し、つながっているという気付きを得るきっかけとなる可能性が示唆されました。今後もお客様にとって心の健康につながる体験を提供できるよう、世代を問わず共に楽しみ、新たな気付きを得られるような企画展示を展開してまいります。