2012年~2014年
1チョコfor1スマイルでは、2009年に、カメルーン中央州ビタン活動地域に位置する小学校4校への教育環境の改善支援を実施しました。しかし、カカオの栽培を主な収入源とする多くのコミュニティでは、教育環境の整備が未だに不十分です。 カメルーンでは、小学校6年間の義務教育は無償のため、小学校の就学率が84%であるにもかかわらず、終了率は59%と低く留まっています。これは、以下の原因によるものです。
特に、今回プロジェクトを実施するカメルーン中央州の農村地域では、教育環境の不備は深刻であり、小学校までの距離が遠いことなどを主な理由として、小学校就学率は26%に留まっています。
ンゴウルメコン コミュニティには、1年生から6年生まで86人の児童が通う小学校がありますが、校舎は老朽化しており、教室も不足しています。また、トイレ等の衛生設備や給水設備が不十分なため、衛生的な習慣を身につけることができず、不衛生な水が原因で体調を崩す子どもが多数います。
さらに、教科書などの教材も、不足しています。
エコック コミュニティでは、子どもたちが遠くの小学校まで遠距離を歩いて通学しなければならなかったため、2010年に公立小学校が新設されました。しかし、学校の設備が不十分である上、トイレが不衛生でプライバシーもないため、親たちが子どもたちを小学校へ通わせたがりません。エコック コミュニティは105世帯506人のコミュニティですが、新年度の児童数はわずか11人でした。
また、給水設備も損傷しており、学校周辺の衛生環境も劣悪です。
レンドムII コミュニティには、75人の児童が通う小学校がありますが、トイレ等の衛生環境が劣悪で、給水設備もありません。教科書などの教材も、不足しており、学習環境が整っていないため、8〜9キロ離れた遠くの学校に子どもたちを通わせる保護者もいます。
レンゴン コミュニティには、153人の児童が通う小学校がありますが、教室は不足しており、教室の状態もよくありません。トイレも給水設備もないため、子どもたちは不衛生な水が原因で体調を崩し、学校を休みがちです。また、教科書などの教材も、不足しています。
このような状況を改善するために、このプロジェクトでは中央州メンガン地区にある、ンゴウルメコン コミュニティ、エコック コミュニティ、オコラ地区レンドムⅡ コミュニティ、レンゴン コミュニティの4コミュニティにある4つの小学校において、下記の活動を予定しています。
このプロジェクトの実施により、4つのコミュニティの学校児童350人と教師10人がよりよい環境で授業を行えるようになります。学習環境の整備により就学率・義務教育修了率の向上と、学力の向上が期待されています。また、衛生的なトイレや井戸の建設により、不衛生な環境に起因する病気が減少し、子どもたちの健康状態の改善が見込まれます。
このプロジェクトは、住民参加型です。地域の人々は計画立案から、実施、進捗管理、評価などプロジェクトのすべての段階に関わり、プロジェクトを中心となって進める役割を担います。地域の人々が計画段階から参加することによって、プロジェクトが自分達のものであるという意識が強まり、プロジェクト完了後も地域の人々によって学校が効果的に運営され、プロジェクトによる成果が継続していく体制が出来上がります。
また、プロジェクト実施中、プラン・インターナショナルはプロジェクトを管理運営するために必要なノウハウ習得や、保健・医療・教育などの専門的能力向上のトレーニングを、地域の人々に対して行います。
このプロジェクトの実現は、MDGs(国際ミレニアム開発目標)目標2:初等教育の完全普及の達成に貢献します。