支援活動報告

カメルーン共和国

人口
2,170万人
5歳未満児死亡率
95人 / 1,000人
小学校就学率
94%
1人当り国民総所得(GNI)
1,170米ドル
  • (ユニセフ世界子供白書2014より)

2012年~2014年

支援パートナー
プラン・インターナショナル

プロジェクトの背景

1チョコfor1スマイルでは、2009年に、カメルーン中央州ビタン活動地域に位置する小学校4校への教育環境の改善支援を実施しました。しかし、カカオの栽培を主な収入源とする多くのコミュニティでは、教育環境の整備が未だに不十分です。 カメルーンでは、小学校6年間の義務教育は無償のため、小学校の就学率が84%であるにもかかわらず、終了率は59%と低く留まっています。これは、以下の原因によるものです。

  • 教室や衛生設備など、学校設備の不備
  • 遠距離通学
  • 教師の能力の低さ
  • 教師1人あたりの児童数の多さ

特に、今回プロジェクトを実施するカメルーン中央州の農村地域では、教育環境の不備は深刻であり、小学校までの距離が遠いことなどを主な理由として、小学校就学率は26%に留まっています。

カメルーン中央州のエコックコミュニティで、カカオ栽培に従事する住人たち

ンゴウルメコン コミュニティにおける現状

ンゴウルメコン コミュニティには、1年生から6年生まで86人の児童が通う小学校がありますが、校舎は老朽化しており、教室も不足しています。また、トイレ等の衛生設備や給水設備が不十分なため、衛生的な習慣を身につけることができず、不衛生な水が原因で体調を崩す子どもが多数います。
さらに、教科書などの教材も、不足しています。

老朽化した校舎は壁がはがれており、雨漏りもします。
教室には机や椅子などの備品が揃っておらず、子どもたちが落ち着いて学習できる環境ではありません。
現在使用されているトイレは、地面に穴を開け板を渡しただけのもので、衛生面・安全面に問題があります。

エコック コミュニティにおける現状

エコック コミュニティでは、子どもたちが遠くの小学校まで遠距離を歩いて通学しなければならなかったため、2010年に公立小学校が新設されました。しかし、学校の設備が不十分である上、トイレが不衛生でプライバシーもないため、親たちが子どもたちを小学校へ通わせたがりません。エコック コミュニティは105世帯506人のコミュニティですが、新年度の児童数はわずか11人でした。
また、給水設備も損傷しており、学校周辺の衛生環境も劣悪です。

校舎の作りは簡素で、子どもたちが快適に学べる環境ではありません。
子どもたちは机もない状態で勉強をしています。
当初トイレはトタン板で目隠しをしただけで、プライバシーがありませんでしたが、コミュニティの住民有志がトイレを一基建設しました。

レンドムII コミュニティにおける現状

レンドムII コミュニティには、75人の児童が通う小学校がありますが、トイレ等の衛生環境が劣悪で、給水設備もありません。教科書などの教材も、不足しており、学習環境が整っていないため、8〜9キロ離れた遠くの学校に子どもたちを通わせる保護者もいます。

レンゴン コミュニティにおける現状

レンゴン コミュニティには、153人の児童が通う小学校がありますが、教室は不足しており、教室の状態もよくありません。トイレも給水設備もないため、子どもたちは不衛生な水が原因で体調を崩し、学校を休みがちです。また、教科書などの教材も、不足しています。

プロジェクトの概要

このような状況を改善するために、このプロジェクトでは中央州メンガン地区にある、ンゴウルメコン コミュニティ、エコック コミュニティ、オコラ地区レンドムⅡ コミュニティ、レンゴン コミュニティの4コミュニティにある4つの小学校において、下記の活動を予定しています。

ンゴウルメコン コミュニティ/レンゴン コミュニティ
  • 校舎の建設と教室備品の支給
  • 男女別トイレの建設
  • 井戸の建設
  • 子どもクラブ(children government)の設立とその活動促進
  • PTA(親と教師の会)と学校運営委員会に対する学校運営トレーニングの実施
  • 衛生トレーニングの実施
  • コミュニティ住民及びPTAメンバーに対する学校改善計画策定のためのトレーニングの実施
エコック コミュニティ/レンドムⅡ コミュニティ
  • 男女別トイレの建設
  • 井戸の建設
  • 子どもクラブ(children government)の設立とその活動促進
  • PTA(親と教師の会)と学校運営委員会に対する学校運営トレーニングの実施
  • 衛生トレーニングの実施
  • コミュニティ住民及びPTAメンバーに対する学校改善計画策定のためのトレーニングの実施

このプロジェクトの実施により、4つのコミュニティの学校児童350人と教師10人がよりよい環境で授業を行えるようになります。学習環境の整備により就学率・義務教育修了率の向上と、学力の向上が期待されています。また、衛生的なトイレや井戸の建設により、不衛生な環境に起因する病気が減少し、子どもたちの健康状態の改善が見込まれます。

このプロジェクトは、住民参加型です。地域の人々は計画立案から、実施、進捗管理、評価などプロジェクトのすべての段階に関わり、プロジェクトを中心となって進める役割を担います。地域の人々が計画段階から参加することによって、プロジェクトが自分達のものであるという意識が強まり、プロジェクト完了後も地域の人々によって学校が効果的に運営され、プロジェクトによる成果が継続していく体制が出来上がります。
また、プロジェクト実施中、プラン・インターナショナルはプロジェクトを管理運営するために必要なノウハウ習得や、保健・医療・教育などの専門的能力向上のトレーニングを、地域の人々に対して行います。

このプロジェクトの実現は、MDGs(国際ミレニアム開発目標)目標2:初等教育の完全普及の達成に貢献します。

  • ※プロジェクト開始時の計画内容です。