2019年~2020年
ベルトゥア活動地域のある東部州は、すべての子どもたちが質の高い教育を受けられるよう環境を整備する必要があるとして、政府が教育最優先地域に指定しています。
しかし教育へのアクセスが限られており(4~5歳児の幼稚園の通園率が10人当たり全国平均の4人に対し、 東部州は2人)、教育環境の未整備、教員免許を持つ教師の不足により、教育の質が低いのが現状です。また、PTAが適切に機能しておらず、子どもの効果的な参加も学校改善計画もないため、学校運営能力が乏しいという面もあります。
2棟で合計5つ(3教室と2教室)ある教室はコミュニティ開発委員会、住民と校長、バトゥーリ地区議会が建設してから何年も経過しており、傷みが激しく老朽化しています。雨の日には教室に雨水が入り込むため授業を中断しなければならず、晴れた日には強い日差しが差し込む教室で授業を受けています。
劣悪な学習環境のため、約70人の子どもたちが町の学校に通うためにコミュニティを離れました。
机といすは一体型で35セットあるのみです。そのため、2人掛けのいすに4人以上の児童が座って授業を受けています。また、授業は2学年が一緒に授業を行う複式学級で行われています。
学校敷地内には飲料用の水源も男女トイレもないため、児童の健康面や学習効率に負の影響を及ぼしています。(屋外排泄に起因する感染症の蔓延、排泄や水分補給のために長時間授業を抜ける、月経期間中に女の子の不登校など)
子どもたちが安心して学べる安全な小学校施設の建設、および子どもを含む住民たちに適切な衛生習慣の習得を促すための保健衛生のトレーニング実施が必要です。
カメルーン、東部州カデイ県バトューリ地区バンドンゴエ・コミュニティにあるバンドンゴエ小学校の教室や給水・衛生設備を整備するとともに、教師や保護者、住民へ教育に関する意識啓発やトレーニングを行うことにより、同校に通う児童たちが快適で安全な学習環境のもと、質の高い教育が受けられるようになることを目指します。
このプロジェクトは、住民参加型です。地域の人々は計画立案から、実施、進捗管理、評価などプロジェクトのすべての段階に関わり、プロジェクトを中心となって進める役割を担います。地域の人々が計画段階から参加することによって、プロジェクトが自分達のものであるという意識が強まり、プロジェクト完了後も地域の人々によって学校が効果的に運営され、プロジェクトによる成果が継続していく体制が出来上がります。
また、プロジェクト実施中、プラン・インターナショナルはプロジェクトを管理運営するために必要なノウハウ習得や、保健・医療・教育などの専門的能力向上のトレーニングを、地域の人々に対して行います。