REPORT もう一人の笑顔に会いに〜ガーナへの訪問〜 REPORT もう一人の笑顔に会いに〜ガーナへの訪問〜

ガーナの人々と共に未来を考える ガーナの人々と共に未来を考える
ガーナの未来を担う人々の話を聞き、ガーナの未来について考えたいと思います。
担当ガイド 渡辺 啓太

住民ボランティアグループに、1チョコ for 1スマイルの活動により支援地域にどのような変化があったのか、お話を伺いました。 住民ボランティアグループに、1チョコ for 1スマイルの活動により支援地域にどのような変化があったのか、お話を伺いました。

活動を支援している村では、「子ども保護委員会」というグループが作られます。村の集会で選出された住民ボランティアのみなさんが、見回りなどの、児童労働をなくすための活動をしています。

具体的には、「毎朝、学校へ行くこどもたちに声をかけて挨拶し、見守ること。」や「学校に来ない子どもの家庭に行って、親を説得し、学校に来るように促すこと。」などを行っています。

子ども保護委員会のメンバーは、自身もカカオ農家として生活しながら、子どもたちの未来を想い、ボランティアで活動を継続しています。

1チョコ for 1スマイルにより、支援地域にはどのような変化があったのか、CCPCのメンバーに話を伺いました。メンバーのひとりは「プロジェクト前は、児童労働に対してどのように対応したら良いかわかりませんでしたが、プロジェクトによりその対応方法がわかりました。だから頑張れるのです。」と語ってくれました。

また、別の支援地域で活動するメンバーは、「プロジェクトの活動により、村の大人たちの意識が変わり『児童労働をさせてはいけない』と考えるようになった。今では、子どもを働かせている家庭を見かけたら「児童労働はダメなことを知らないの?」と声をかけあえるようになった」と話をしてくれました。

「子どもたちが畑仕事ではなく学校に通えるように」

想像してみてください。畑仕事をしていた子どもたちが学校に通えるようになったその先の彼らの将来を。私たちは子どもたちの将来を変えるために行動しないといけない。子どもたちが学校に通えるように努力していきます。

「児童労働に頼らない生活を継続する難しさを再認識」

1チョコ for 1スマイルの活動は、支援地域の大人たちの意識や考え方を変えることにもつながっている活動であること。そして現地の大人たちの「子どもたちに教育を受けさせたい」という想いによって支えられていることを強く実感。一方で、支援地域の努力だけで、児童労働に頼らない生活を継続することの難しさを再認識しました。

渡辺啓太

ガーナ政府管轄の機関ココボードとカカオマーケティング公社とも対話しました。 ガーナ政府管轄の機関ココボードとカカオマーケティング公社とも対話しました。

その後、私たちは、ガーナ政府管轄の機関であり、農家のためのカカオの購入価格の決定を含むガーナのカカオセクターを規制する権限を持つ政府機関であるココボードと、ココボードの子会社であるカカオマーケティング公社とも対話しました。

ココボードは2019年からカカオマネージメントシステム(CMS)の構築を進めています。80万人ほどのカカオ農家と、約130万ヘクタールのカカオ農地を管理するためのデータベースを2024年10月までに完成する予定です。このデータベースは、ガーナのカカオ豆が農園から港まで追跡可能であることを保証し、カカオ農家の森林破壊や児童労働のリスクに関する情報も記録します。

私たちからはココボードに対して、1チョコ for 1スマイルの支援地域で私たちが見てきた児童労働の現状や、経済面を含めてカカオ農家の方たちが抱える様々な課題についてお伝えしました。

カカオマネージメントシステムについて説明するココボードの担当者。

移動中の車内で、ガーナ政府管轄の機関との対話を振り返りながら、自分の見解や認識の変化、新たな学びについて話す渡辺啓太。

「カカオ農家や子どもたちに笑顔を還元する仕組みづくりが必要」

ITの活用がカカオ産業の課題解決に重要だと認識しました。それらの課題を仕組みで解決することが必要不可欠だと思います。カカオ農家や子どもたちにも笑顔を還元できる仕組みを作り、彼らの生活をよりよくする手伝いが出来たらうれしいと感じました。

渡辺啓太

森永製菓がガーナのカカオ産業に貢献できることを考えるため、JICAとも意見交換を行いました。 森永製菓がガーナのカカオ産業に貢献できることを考えるため、JICAとも意見交換を行いました。

日本政府は、国際協力機構(JICA)を通してガーナ政府とともに、「児童労働フリーゾーン」と呼ばれる、児童労働の予防と解決が進む地域を構築するという、国の制度作りを支援しています。これは、SDGs8.7の達成に貢献し、子どもたちが安全に成長できる環境を整えるための取り組みです。

実はこの取り組み、1チョコ for 1スマイルの支援先であるACEが2018年からガーナ政府と連携して始まった取り組みなのです。1チョコ for 1スマイルの支援地域での取り組みが、ガーナ政府に認められ、それが、「児童労働フリーゾーン」という、国の制度設計につながっています。

10年以上にわたる1チョコ for 1スマイルを通じたガーナへの支援が、ガーナ政府やJICAなどが取り組む、ガーナの児童労働廃止に向けたガーナの大きなアクションの一翼を担っていることに感動しました。活動を継続してきたことの意味を改めて実感しました。

児童労働をなくすために、チョコレートメーカーとしてどのような協力ができるのか、話し合いました。

「1チョコ for 1スマイルから
1チョコ for Allスマイルへ」

1チョコ for 1スマイルは、子どもたちだけでなく、親や教師、支援地域の大人たちの児童労働に対する意識や行動に変化をもたらしていることを強く実感しました。10年以上の支援の結果、ACE様とガーナ政府の連携により、ガーナ全体の児童労働撤廃に向けた取り組みへとひろがっています。課題はまだ多く残っていますが、1チョコ for 1スマイルが「私たちの活動」から、ガーナ全体の1チョコ for “All”スマイルへつながっているのだと気づくことができました。

渡辺啓太

ガーナ現地視察マップ

ガーナ現地視察マップ
ガーナ現地視察マップ

現地視察レポート記事

渡辺 啓太

森永製菓のこれまでと
これからの挑戦について

サステナブルな未来を描き、企業の想いを伝える広報担当
渡辺 啓太

コーポレートコミュニケーション部広報グループ所属。2009年に入社し主に新規事業の立ち上げ・拡大に携わる。2023年4月から現職で広報担当としてPR活動や取材対応、コーポレートブランディングなどを担当しています。

ガーナの子どもたち
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