フードロス削減の推進
基本的な考え方
世界人口が増加する中、フードロスの削減は世界的課題となっており、食品企業の一員として真摯に取り組む必要があると考えています。当社グループは、その第一歩として原料の受け入れ、製造、物流・納品までに発生するフードロスの削減について長期目標を設定しました。今後は、消費段階についても検討を進めるとともに、食品廃棄物の発生を抑制しながら、リサイクル率の向上やフードバンクへの寄贈など、食資源の循環・有効利用を推進していきます。
フードロス削減: 長期目標
- 2030年目標
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原料受け入れから納品(流通)までに発生するフードロスを70%削減
- ※1国内グループ連結
- ※2原単位[年間フードロス量(t)÷年間製造重量(t)]
- ※32019年度比
- ※4発生した食品廃棄物のうち、飼料化・肥料化など、食資源循環に戻すものを除き、焼却・埋め立て等により処理・処分されたものを「フードロス」と定義
- 2030年目標の進捗
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目標 2023年度実績 2030年度 ▲70% ▲70% - ※対象:原料受け入れから納品(流通)まで(国内グループ連結)
- ※原単位 [年間フードロス量(t)÷年間製造重量(t)]( 2019年度比)
- ※発生した食品廃棄物のうち、飼料化・肥料化等、食資源循環に戻すものを除き、焼却・埋め立て等により処理・処分されたものを[フードロス]と定義
2023年度の実績は▲70%と目標を7年前倒しで達成しました。次年度以降もこの削減率を維持すべく、全社で様々な取り組みを推進していきます。
食品廃棄物排出量削減の取り組み
フードロス削減目標の達成に向けて、食品廃棄物排出量削減に取り組んでいます。具体的には、継続的な生産性向上活動や、工程ロス削減等の業務改善及び製造条件のさらなる適正化を進めています。このような取り組みの結果、2023年度は前年に対して、89トンの食品廃棄物を削減しました。
食品廃棄物リサイクルの取り組み
フードロス削減に向けて、まずは廃棄物の「発生抑制」に努めていますが、発生した食品廃棄物は主に、飼料化、肥料化、及びメタン発酵原料等に利用することでリサイクルしています。
工場では既に食品リサイクル率100%を達成した三島工場、高崎森永(株)、森永エンゼルデザート(株)に加え、新たに森永デザート(株)も加わり、計4工場で食品リサイクル率100%を達成しました。さらに、その他工場においても、食品リサイクル率100%を目指していきます。
従来リサイクルすることが困難であった包装された状態の食品廃棄物については、包装材料分離装置を鶴見工場と三島工場に導入することにより、食品リサイクルへの転換を進め、資源の有効利用をより推進していきます。
また、首都圏配送センターでは食品リサイクルが難しかった製品廃棄物のリサイクル化推進を行いました。
今後も様々な取り組みにより、リサイクル化を推進していきます。
フードロス削減に向けた外部との連携・取り組み
国連食糧システムサミットへのコミットメント
森永製菓グループは、農林水産省を通じ、2021年9月に開催された国連食料システムサミット(Food Systems Summit:FSS)への支持を表明し、持続可能な開発目標の達成に向け、コミットメントを提出しました。
今後、当社グループは、国連食料システムサミットで掲げる持続的な食料システム、特に「自然に対してポジティブな生産を十分な規模で促進」 および「食料消費の持続可能性の実現」に貢献するため、温室効果ガス排出量削減、持続可能な原材料調達の推進およびフードロス削減に取り組みます。
国連WFP協会 ごちそうさまチャレンジへの寄付
国連WFPは、飢餓ゼロを目指して活動する国連唯一の食料支援機関です。
認定NPO法人国連WFP協会は、食品ロス削減に関するアクションを促すことで、食の重要性に対する意識向上を図る「ごちそうさまチャレンジ」キャンペーンを実施しています。このキャンペーンにより、「学校給食」を途上国の子どもたちに届けています。
森永製菓は、2020年度より、このキャンペーンへの寄付を実施しています。
大阪府食品ロス削減ネットワーク懇話会への参加
大阪府は、「大阪府食品ロス削減推進計画」に基づく施策およびそれに関連する事項について、食品製造業、食品卸売業、小売業・外食産業等の事業者や、消費者、行政など多様な主体の取組状況等の成果を検証し、より効果的な手法等を検討することを目的として、食品ロス削減ネットワーク懇話会を設置しています。
森永製菓は、2021年度より「大阪府食品ロス削減推進計画」に賛同し、定期的に懇話会に出席しています。「令和3年度 第1回食品ロス削減ネットワーク懇話会」では、流通上での食品ロス削減をテーマとした営業現場の課題を共有しました。「令和4年度 第2回食品ロス削減ネットワーク懇話会」では、フードロス削減の手法の1つとして、消費者が日常のシーンで手軽に行えるレシピ提案しました。
食品製造業ならではの視点で、食品ロス削減に向けて様々な取り組みを実施している点を評価いただき、令和5年度に「おおさか環境賞」奨励賞を受賞しました。
令和4年度 第2回食品ロス削減ネットワーク懇話会にてレシピ提案を実施